読書レビュー:『処生術』(藤原和博)

読書

読みたいと思ったきっかけ

『父親になるということ』を読んで藤原和博氏の著作が気になり、本屋で立ち読みして興味が出たのがこの本。

内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

第1章自分の人生のオーナーは誰ですか
第2章「自分の時間割」で生きる
第3章「メニエル」が私を変えた
第4章現代ビジネス処世術―働き方改革を実践するには
第5章「生きる」ことをどう演出するか
第6章20世紀の日本で作られた「サイボーグ」
終章義理の父への「弔辞」
あとがき「処生術」―自分の人生の主人公になるための方法
エッセイやさしい先輩が人生のコツを教えてくれます(勝間和代)

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

第1章(自分の人生のオーナーは誰ですか)

・そんなとき私が意識しているのは、どんな業界に属しているかではなく、その仕事は「未来に関わる仕事」だろうかという一点だ。その仕事が、私自身やってみたいと強く思うほど未来の一部を塗り変えるものかどうか。その仕事をやる私は、未来の一部を自ら編集している意識が生まれるかどうか。私は、その仕事を通じて未来に関われるだろうか。

第2章(「自分の時間割」で生きる)

・そして、最後に自分についても、今、ここで悩みながら、失敗しながら、後に語るべきことを蓄積していくプロセスを楽しむのではなく、どこかに手っ取り早く「本当の自分」がいて、「それを見つけたら勝ち!」だとでもいうように。まず、完成品がどこかにあると考えるのは止めましょう。

第3章(「メニエル」が私を変えた)
第4章(現代ビジネス処世術―働き方改革を実践するには)

・「アートへのこだわり」と私自身は思っていたが、それは勘違いだった。「現代的なスタイル」だと週刊誌は私を取り上げたが、それも大きな誤解だった。自分の気力が弱まると、何か無性に買い物がしたくなるだけだ。

・私としては、自分の興味のある対象に対してめいっぱい背伸びして「分不相応」の買い物をしたことで、妙に納得感があったのだ。「ああ、さっぱりした」という感じである。

第5章(「生きる」ことをどう演出するか)

・人を紹介できる人間になりたいと思う。ただ上手に人を紹介できる人間になりたい。人の間と間を紡ぐこと。「間」の達人となること。それだけでも立派なソフト作りだ。それは、人脈とかネットワークなどという軽い言葉では語り得ない、愛情エネルギーがいる創造的な仕事だと思う。

・あらゆる変化にうまく適応してオイシイ思いをすることだと言えるのではないか。日本の近代史が示してきた典型的な日本人の人生観は、そのように悲しいくらい合理的な、商売感覚の強いものだったように思う。

第6章(20世紀の日本で作られた「サイボーグ」)
終章(義理の父への「弔辞」)
あとがき(処生術」―自分の人生の主人公になるための方法)
エッセイ(やさしい先輩が人生のコツを教えてくれます(勝間和代))

・この本を読んだ方はぜひ、自分の人生のストーリーの棚卸しをしてみてほしいと思います。どのような家庭環境に生まれてどのように育ち、どのような価値観を持っていて今に至っているのか、そして今、自分が元々やりたいと思っていた主役をしっかりと演出できているのか、それともまだまだ何かに踊らされているのか、もし踊らされているとしたら何を止めていくべきなのかということを、この本をヒントに一つ一つ考えることを推奨したいと思います。

コメント

藤原和博氏が具体的にどういった経歴を持っているかを知ることができる。

幼少期にどういった教育環境にいて、どういったことを考えていたか、その軌跡を追うことができる。

加筆・修正しているものの、元の本が1997年、2000年の出版のものであるため、一部に少し時代遅れの部分もある。

例えば、東京の生活コストの高さをパリやロンドンと比較して高いとしている箇所があるが、現在ではそんなことはあり得ないので、あまり参考にはならない。もちろん当時はそうだったという記録としては参考になるが。。。

この本で1番触発された部分でいうと、最後の文庫版の付録としてエッセイで勝間和代氏が提案しているとおり、自分の人生のストーリーを棚卸しする、という点だろう。

自分がどういった価値観を持っていたり、どういった仕事を今まで具体的にこなしてきたか、将来的に何をしたいか、などなど。自分のなかで紙に書き出してみること。

この作業自体は他のビジネス本などでも推奨されているが、意外と後回しにしがち。

かくいう自分もいつかはやらなければとは思っているのだが、ずっとできずにいる。この機会に紙に書き出して自分の「履歴書」づくりを始めたいところ。

一言学び

完成品がどこかにあると考えるのは止める。


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