読書レビュー:『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(柿内尚文)

読書

読みたいと思ったきっかけ

土井英司氏のビジネスブックマラソンで紹介されていたのがきっかけであるが、購入自体は実際に本屋で内容をざっと見たうえで行った。

内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

はじめに    
第1章 人は、正しいかどうかではなく「伝わったこと」で判断する
第2章 「伝わる」は7階建て構造
第3章 伝える技術 伝わる技術
第4章 「伝わる」人が実践している4つの行動
第5章 「伝えるのが面倒な人」への対応策
おわりに    

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

はじめに
第1章(人は、正しいかどうかではなく「伝わったこと」で判断する)
第2章(「伝わる」は7階建て構造)
第3章(伝える技術 伝わる技術)

・失敗は『課題発見』と言いかえてみたらどう?

・失敗を後悔の対象にするのではなく、未来の糧にする。そういう言いかえができれば、自分の成長につなげることができます。

・当時の僕もそうでしたが、文脈を読むのが苦手な人がいます。そういう人がよくやっているのが「単語ひろい」です。言葉の中の「単語」に反応してしまい、文脈を決定する流れや接続詞、助詞をスルーしてしまう。たとえば「バカ=侮蔑の言葉」と直線的に認識されていることがあります。

・面倒でも文脈がわかるように丁寧に話したほうが合理的です。いきなり本題は避けたいところです。

・結論から伝えると、相手は「この人はいま何の話をしているのか?」がわからないことがあるからです。先ほど出てきた「文脈」の話です。

第4章(「伝わる」人が実践している4つの行動)

・自分の伝えたいことが、そのまま相手に届くことは基本的にありません。

・イラッときたら、「やさしい人になろう」と心の中でつぶやく。

・怒りは、話が「伝わらない」ということだけでなく、相手から幼稚に見られたりとマイナス面が非常に多いので、怒りの鎮め方を覚えておくのは得策です。…イラっときたら「3秒深呼吸」。怒りがわいているときは脳が酸素不足になっている可能性があります。

・トラブルの多くが「伝えていない」から起きます。

・抽象度の高い質問は、相手がどういうことを考えているかなどを探る材料になります。

第5章(「伝えるのが面倒な人」への対応策)

・話を広げる質問のコツのひとつが、相手の「好き」を聞くことです。1. 相手の好きなことを聞く、2. 相手の好きなことは相手の話の中だけではなく、持ち物などどこかに隠れていることも。オンラインなどでは、背景に「好き」のヒントがあることも、3. 相手の好きなことと、自分が話せることをつなげる。ただ質問をするだけでなく、自分の話も折り込むことで、話が盛り上がった状態を作る。

・頭の中を研究者視点にして、目の前で起きている不快なことやネガティブなことを自分の学びに転換する。

おわりに

コメント

ページ数の割にフォントも大きく、行間もかなり取られているのであっという間に読み終えることができた。おそらく1時間ちょっとで読めた。

「伝える」ではなく「伝わる」ための技術が具体的な事例をもとに紹介されている。

わたしとしては特に「面倒でも文脈がわかるように」という部分が印象に残った。

これはあるあるだと思うが、自分では当たり前のことと思って前提となる文脈を省略して相手の人に話すと「何の話?」とだいたい聞かれる。

わたしの場合は仕事でよくこの失態をやらかす。

あるプロジェクトAの予算について上司に相談に行くとき、自分としてはずっとプロジェクトAのことを考えているため、その背景や現況を当たり前のことと捉えてしまっていて、その前提をすっ飛ばして上司にいきなり相談してしまうことがある。

当然ながらそうやって話し始めると上司から「何の話?」という怒りを込めた返答を受けることになる。

自分が所与の条件として持っていることは当然相手も知っているという天動説のような考え方は意外と抜けない。だからこそ同じ失敗を繰り返す。

この本はそういった失敗を避けるために、面倒でも文脈がわかるように丁寧に話すことを推奨している。

これも言われてみれば当然なのだが、なかなかできない。それは面倒くさいから。

この本では、トラブルの多くが「伝えていない」から起きる、としているが、そのより根本的な原因は伝えるのが面倒くさいからだろう。

なるべくそういった面倒は省略して楽にいきたいという思いが、あらゆるトラブルを引き起こす。

だからこそ面倒くさいという思いをどうコントロールしていくかが重要になってくるのだろう。

一方で、コミュニケーションの相手も同じことを考えているとすれば、「察しが良い」ことが評価される理由もわかる。

「察しが良い」というのは結局「伝えるべきことを省略してもわかってくれる」ということであって、それは伝えるという面倒を回避できることを意味する。

面倒な説明なしにも相手が動いてくれれば、それほど楽なことはないだろう。

となると会社組織で生きていくために必要なのは、①相手がわかるように文脈を省略せずに丁寧位に話すこと、②相手が文脈を省略しても理解できるように観察しておくこと、の2点だといえそう。

ただ②については一朝一夕で身につかなさそうに思うので、まずは本書に書いてある方法を活かして①を磨いていくしかない。

一言学び

トラブルの多くが「伝えていない」から起きる


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