佐藤優

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読書レビュー:『日本人の7割が知らない世界のミカタ』(佐藤優/古谷経衡)

何かと風当たりの強い印象のFラン大を擁護している議論を見たのは初めてな気がする。 私学助成金などの文脈で、そんな大学にお金を配分するのは非効率だという非難がなされがちなFラン大であるが、地場産業の人材供給源として機能しているらしい。 とはいえ、そういった機能を担うだけであれば必ずしも大学である必要はないような印象も受ける。 職業訓練に特化した学校や施設で代替できそうな・・・。 今時点においてFラン大がそういった機能を担っている側面があるという意見をインプットしておくのは物事を多面的に見るためにも重要に感じた。
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読書レビュー:『宗教と不条理 信仰心はなぜ暴走するのか』(本村凌二/佐藤優)

特に、いまのヨーロッパがまったく「キリスト教世界」ではないという話(正教が強い東ヨーロッパは別だが)は、割と勘違いしてしまいがちなので重要な情報。 ヨーロッパのカトリック圏やプロテスタント圏が日本と同程度に世俗化しているという認識のうえに、日々のニュースを見ていく必要がありそう。 個人的には、逆張りではないが、これだけ世俗化してきている状況においてこそ宗教に対する知識や歴史を継続的に学んでおくことが肝要であるとも思えた。これもかなり打算的ではあるが・・・。
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読書レビュー:『死の言葉』(佐藤優)

「資本の人格化」されたのがスティーブ・ジョブズであるという指摘をどう捉えるかは人によって異なるが、資本主義という経済システムを大前提から距離を取ってみると、確かにそういった解釈も妥当であるようにも思える。 死生観というのは極めて個人の考えや価値観が反映されやすいであろうことに鑑みると、この指摘は自分自身の考えや価値観が資本主義という目に見えないシステムに多大な影響を受けてしまっている事実を突きつけられる。 そういう意味においても、死というトピックについて考えることは自分自身の考えや価値観を見つめ直すきっかけになる。 本書はその取っ掛かりとしてとても優れているように思う。
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読書レビュー:『天才たちのインテリジェンス』(佐藤優)

雑誌の対談企画なので仕方ないが、もう少し対談人数を減らしたうえで、その分一人一人の対談を増やしてもらったほうがより深い話が読めそうな気がする。 様々な専門家の話を見られるとはいえ、結局気になってしまうのは自分の関心が向く、斎藤幸平氏や大澤真幸氏の話になってしまうのは、自分の視野の狭さを逆に認識する良いきっかけになっているのかもしれない・・・。 大澤真幸氏の「学んだことが身につくかどうかは、個人のスペックや学習時間の問題ではなくて、究極には自分の問題だと思えるかどうかだから」というのは、当たり前の話ではあるけど、とてもクリティカルな指摘だと思う。
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読書レビュー:『グローバルサウスの逆襲』(池上彰/佐藤優)

インドネシアが潜在的な味方にもなり得るし、海洋国家として脅威にもなり得るために、日本としても対処しておく必要があるという指摘は盲点だった。 人口が増えていることや世界最大のイスラム教徒を有する国であるということは知っていたが、地政学的な重要性は盲点だった。 こういうと打算的であるが、自分としてもインドネシアの動向をチェックしていく必要を感じた。
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読書レビュー:『イスラエル戦争の嘘 第三次世界大戦を回避せよ』(手嶋龍一/佐藤優)

ユダヤ人の苦難の歴史を考えると、イスラエルが「ユダヤ人をユダヤ人であるという属性のみを理由に地上から抹殺するという思想を持つ」ハマスを中立化(殺害だけでなく、イスラエルに帰順する、もしくは国外に逃亡することでも構わない)するという考えにも仕方なさがあるように思える。 イスラエル国民に共有されているという「全世界に同情されながら死に絶えるよりも、全世界を敵に回してでも戦い、生き残る」という認識があるというが、それを実践しているといえる。 2024年12月中旬においては「パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で、イスラム組織ハマスが初めてイスラエル軍の一時的なガザ駐留に同意」という報道も出ている模様。 シリアでのアサド政権崩壊のニュースにより、より混沌としてきた中東地域において、そのキープレイヤーとなるイスラエルのロジックを知るためにも本書は有益であるように思う。
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読書レビュー:『グリム、イソップ、日本昔話-人生に効く寓話』(池上彰/佐藤優)

要はバランスの問題なのだろうけど、中庸を取ることは難しいのかもしれない。 それではどういったスタンスで物事を見ていき、アクションを取るべきなのか。 その答えはきっとフルコミットとニヒリズムの間にあるはずだが、それはケースバイケースで答えは一つにはならないような気がしている。 これは各人がそれぞれどういった態度で望むべきか、それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら、バランスを考えながら構築していくしかなさそう。。この態度は中途半端な気がして、あまり我が意を得たりという感じにはなりづらそうだが。 自分自身の仕事観や人生観をふと立ち止まって考えるきっかけになるので、そういった視点からもオススメできる1冊。
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読書レビュー:『神学でこんなにわかる「村上春樹」』(佐藤優)

『騎士団長殺し』自体も結構長い作品なので、自分のようにそれを読破する自信がない人にとっても有用なように思う。 また「あとがき」に、村上春樹氏の最新作である『街とその不確かな壁』に対する佐藤優氏の読み解きも書かれているも嬉しいところ。 佐藤優氏の解説があれば読み進めることができそうなので、この調子で『1Q84』『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』なども同じ形で解説書が出ると個人的に嬉しい。 村上春樹氏のファンの方がこの手の書籍を手に取るのかわからないが、わたしのような村上春樹氏の初心者の方にはオススメできる1冊。
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読書レビュー:『組織を生き抜く極意』(佐藤優)

自分自身もノンポリというか、あまりそういったものに関与している自覚もないので、問題児か能力がないのかもしれないけれど・・・。 この話はスタンスを取る取らないという話にも通じているかもしれない。 組織を生き抜くうえでのヒントはもちろん、人生トータルでのヒントも何かしら得られるので買ってみて損はないはず。 ただ、最近新書の値段が上がってきている。今回の書籍も税込みで1,155円。昔なら税込みで900円くらいだったろうから、2-3割は値段が上がっているように思う。 特に青春新書は高めに設定している気がする。さすがに1,200-1,300円の新書となると、もはや単行本の値段になってくるのでやや購入を躊躇わざるを得ない。。。
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読書レビュー:『正しさってなんだろう 14歳からの正義と格差の授業』(佐藤優)

一見すると他の道に移ることは「逃げ」のようにも見えてしまうが、そもそも人の能力適性は遺伝レベルで違うことを考えれば、自分の適性と思われる分野に進むことは決して「逃げ」とは言えないだろう。 それぞれ自分が得意な分野で活躍できるように目指していくことは合理的な選択。 これは言うは易く行うは難しで、自分も含めてそれができないので困っている部分はあるが・・・。 大人が機微なテーマの概略を掴むのにも役立つが、子どもに対して親がこうしたテーマを説明するときのヒントとしても有用に思う。 もちろん子どもにプレゼントしても良いが、中学生のときの自分が親からプレゼントされた本を読むかと言われると、少し疑問ではあるけれど・・・。
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