読書レビュー

読書

読書レビュー:『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(柿内尚文)

「察しが良い」というのは結局「伝えるべきことを省略してもわかってくれる」ということであって、それは伝えるという面倒を回避できることを意味する。 面倒な説明なしにも相手が動いてくれれば、それほど楽なことはないだろう。 となると会社組織で生きていくために必要なのは、①相手がわかるように文脈を省略せずに丁寧位に話すこと、②相手が文脈を省略しても理解できるように観察しておくこと、の2点だといえそう。 ただ②については一朝一夕で身につかなさそうに思うので、まずは本書に書いてある方法を活かして①を磨いていくしかない。
読書

読書レビュー:『ストーリーとしての競争戦略』(楠木建)

500ページを超える著作なので、1回読んだだけで完全に理解できたわけではないが、上記含め示唆に富む内容が多くあった。やはり評判になるだけのことはある。 今後も何回か読むたびに新たな発見がありそうな本に感じるので、暇を見つけて読み返したい。
読書

読書レビュー:『処生術』(藤原和博)

この本で1番触発された部分でいうと、最後の文庫版の付録としてエッセイで勝間和代氏が提案しているとおり、自分の人生のストーリーを棚卸しする、という点だろう。 自分がどういった価値観を持っていたり、どういった仕事を今まで具体的にこなしてきたか、将来的に何をしたいか、などなど。自分のなかで紙に書き出してみること。 この作業自体は他のビジネス本などでも推奨されているが、意外と後回しにしがち。 かくいう自分もいつかはやらなければとは思っているのだが、ずっとできずにいる。この機会に紙に書き出して自分の「履歴書」づくりを始めたいところ。
読書

読書レビュー:『子育て指南書 ウンコのおじさん』(宮台真司)

もういい大人になってしまった自分が損得勘定に基づいて行動する劣化した人から脱却することは困難であろうが、自分の子どもにはせめて損得勘定ではなく動機付けに基づいて行動できるように成長してもらいたいところ。 もちろん自分だけを棚上げするわけではなく、自分もできるところから損得勘定の奴隷から自分自身を解放できるように行動し、経験を積まなければならない。 経済的合理的に動くこと、コスパ良く生きることが称賛され、そうでない行動を取る人物を蔑むような状況であるからこそ、逆張りではないが、そういった価値観から抜け出して動機付けに基づいた信頼ベースの関係を構築できる人を目指しながら、子育てや仕事をしていかなければ。
読書

読書レビュー:『失敗から学ぶマーケティング ~売れないモノには理由がある』(森行生)

この本を読んだ後と前とでは世界が違って見えるというと言い過ぎか・・・。 しかしながら、映画や小説などの芸術作品の評価としても「それを見た後では見る前の価値観で世界を見られなくなる」というのが1つの評価軸になっているという話も聞くので、その意味で言えば本書もそれに該当するかもしれない。 ページ数も多くて読むのが大変そうに思えるし、そのうえ値段も3,000円と高いけれど、読んで損したとは思えない内容なので、ぜひオススメしたい。 それにしてもやはり土井英司氏の選球眼に狂いはない。
読書

読書レビュー:『父親になるということ』(藤原和博)

何も意識していないと子どもに対して何となくテキトーに接してしまい、そうしていつの間にか子どもは大きくなってしまう。 これは利己的な発言であるが、そうなってしまっては「子育てによる「親育ち」」の機会を損失することになる。 利己的とはいっても親が成長しないと子どもに悪影響があるという点では「利他的」なのかもしれないが・・・。 いずれにしても子どもに接する際の参考書として使っていきたい。
読書

読書レビュー:『世界史の分岐点』(橋爪大三郎/佐藤優)

そこまで特化したわけではないが、理系的な技術の進展の話を久々に本で読んだ気がする。 テクノロジーの進歩に疎いと現代ではまったく話についていけなくなるという思いを改めて強くした。 もはや技術的な基礎知識が頭に入っていないと何もできない状況になりつつある。こういった知識のアップデートも日々進めていかねばならない。 そういった意味でも本書を読むことは理科系的な知識の重要性を知るきっかけになる1冊だと思う。
読書

読書レビュー:『なぜ人に会うのはつらいのか』(斎藤環/佐藤優)

対談形式であるので文体も平易であり、すぐに読むことができるのもこの本の利点。 読みやすさがあるとはいえ、それが必ずしも簡単な得るものの少ない本というわけではない。 コロナウイルス感染拡大によって浮き彫りになった「人と会う」ということの意味やその特性を言語化して知るには適した1冊といえる。
読書

読書レビュー:『激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972』(池上彰/佐藤優)

革マル派、中核派など単語単語を聞くことはあっても、それがどういう系譜に連なっていて、どういった思想背景を持っているかまでは調べていなかったため、この本を通じて概略を知ることができた。 各派がどういう理論に基づき、どういった思想背景を持っているかを都度都度確認をしないと読んでいてわからない部分が出てくるので、その点は少し大変さは伴うが。 東大安田講堂事件やあさま山荘事件など、ニュースで聞いていた事件の背景をドキュメンタリーのような形で把握することができたのが、この本で1番良かった点。 各事件の影響が次の事件につながったりと、ストーリーとして読めるので、そこは物語としての面白さがあった。(本書の特に後半部分) 本編の最後に「第三巻」に関する言及があるので、続編は決定済みの模様。次回も楽しみにしたい。
読書

読書レビュー:『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』(橘玲)

本書の内容については『スピリチュアルズ』や『無理ゲー社会』のなかで記載されていた内容と重複する部分はあるが、PART5のこの世界の切り抜け方については上記2冊では触れられていなかったように思う。 昨今のFIREやミニマリストの隆盛が、この無理ゲー社会を生き抜く手段であるという点は合点してしまった。 経済格差の拡大に対応する形で、FIREを目指し、なるべく不必要なものを買わず、捨てるというミニマリストをベースとするのは、最近自分も囚われている思想だったので、そこに意識的になれたのは本書を読んで1番良かった点。 橘玲氏の著作については、Amazonレビューなどを見ると辛辣な意見も書いてあったりするが、自分としては毎回海外の事例を知ることができたり、現代社会の潮流とそれに対する人々の反応など、トレンドとその理由を知るきっかけを与えてくれるので、そこまで否定的な意見はない。 まあ確かにここまで著者が有名になると自己啓発書ではないが、読んでいて楽しい、気分が良いから著書を買うという側面も否定できない。 そういう意味では本書はわたしにとっては自己啓発書や娯楽小説のようなものなのかもしれない。
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました