読みたいと思ったきっかけ
ビジネスブックマラソンで紹介されていたのがきっかけ。
自分も30歳を超えてきたこともあり、タイトルも刺さってしまって購入した。
内容
目次
目次は以下のとおりとなっている。
PROLOGUE | : | 悩みの多い30歳へ |
CHAPTER 1 | : | 自分だけが後れている気がして不安なとき |
CHAPTER 2 | : | 計画ばかり立てて実行できないなら |
CHAPTER 3 | : | もっと上手くやりたいのに能力が足りないと感じるとき |
CHAPTER 4 | : | 後悔のない人生を目指す30歳に伝えたい言葉 |
CHAPTER 5 | : | 英語を諦めた私を救ってくれた勉強法 |
CHAPTER 6 | : | 5年後の自分はどうなっているのだろう? |
EPILOGUE | : | 諦めずに歩き続ければ、いつかはたどり着く |
付録 | : | 悩める30歳からのよくある質問10選 |
内容
わたしの気になった箇所について記載する。
■カウンセラーから宿題が出た。まずは、その日にやるべき作業を毎日書き出すこと。そして、どんなに小さなことでもいいから、やり終えるたびに自分を褒めてあげること。次に、思い浮かんだことをノートに書いて、頭の外に出してしまうこと。
■40歳を過ぎて「これからどうしよう」と悩む人が多い。30代までは他の人についていくだけでも、それなりに道が見える。研究者であれば、修士、博士、ポスドクとそれほど悩むことなく進んでいく。就職した人も、40代に入る前の社会人10〜15年めまでは比較的順調に時が流れる。問題はその先だ。年齢や経験を重ねたからといって、誰もが企業のCEOになるわけではない。いつかはそれぞれの道を探さなければならないときがやってくる。そのとき、自分はどんな人間なのか、どんなふうに生きたいのか、何をしたいのかがしっかりわかっていなければ、メンタルの危機が訪れる。
■「時は流れる」この簡潔な不変の事実が心の支えとなり、刺激となり、解決策となることが多い。何をしても、何もしなくても、時間は誰にでも公平に流れる。私の経験上、まず飛び込んでみると、何とかしようともがいているうちに時が流れて、どんな結果であろうが、いつの間にか終わっている。最初が大変なだけで、そのステップを乗り越えれば、ぐんと成長した自分に出会える。
■失敗の経験が少ないというのは、言い換えれば、挑戦したことがないか、失敗しない範囲のみで挑戦したという意味でもある。
■才能がなくても持ち前の誠実さで足りない部分を埋められるし、苦悩ではなく実践が自分を強くする。他人の人生ではなく、自分の人生にフォーカスを合わせて生きるべきだと気づいた。
■私が考える理想的な職業は、10%がおもしろさ、60%が淡々とこなせること、30%がやりたくないけれどやっていることで構成されているもの。おもしろさがたった10%しかない仕事をなぜやっているのかって?1週間に40時間働くとしたら、そのうちの4時間だ。1週間に4時間も本気で仕事がおもしろいと感じたことはあるだろうか?1週間に4時間、本当に楽しくて幸せを感じながら働いているのなら、あなたは素晴らしい職業に就いている。
■しかし人望と人脈は、キャリアの成功における基本中の基本だ。
■リーダーには、自分の不安を感知する勘と気分を切り替えるテクニックが必要だ。1人になる時間を設けたり、他のメンターの助けを借りたり、しばらく他のことに目を向けてみるなど、自分に合った方法で不安な感情をなだめよう。
■毎日寝る前に、その日に学んだ教訓を3つ記録することを習慣にしてみてはどうだろう。1年で1095個もの教訓が得られる。
■先に歩いた人々が後悔したかもしれないその道を、そこに道があるからというだけの理由で何も考えずに歩くのはやめよう。そう言ってあげられる大人が増えることを祈る。
■私は転職の方向性を定めるために「Meファクトテーブル」という表を作成して自己分析を行った。その名の通り、自分に関するファクトを「私は○○だ」と端的に列挙し、そのファクトにおける長所と短所を隣に書く。そこから見えてきた人生の戦略を書き出した結果、進むべき道が明らかになった。
■準備ができてから挑戦するのではなく、挑戦してから準備を始めよう。順番を間違えてはいけない。これがジョブテクの基本ルールだ。
■「誠実に生きよう」と冗談めかしてい言うことがあるが、これこそが真理だ。しっかりした人脈を築きたいなら、毎日ベストを尽くして熱心に誠実に生きること。バカみたいで単純な言葉だが、25年経った今、これに勝る方法はないと実感している。
■華麗なスペックで埋め尽くされた履歴書は、採用担当者の記憶に残らない。スペックばかりをアピールするのは、コスパ競争と同じようなものだ。もっとスペックの高い人材が登場すれば競争力を失ってしまう。スペックよりも、自分のキャリアを貫くストーリーが必要だ。
■最も危険な失敗は、会社が人生のすべてになってしまうこと。「人生から会社を除いたら何も残らない」とか「今の仕事以外に自分の能力を生かせる場所はない」と、自分のすべてを会社に注ぎ込んでしまうことです。
コメント
いわゆる自己啓発本であるので、メッセージを抽出すると他の書物でも書かれている内容に集約されているような気もする。
本書の魅力は、やはり著者自身が25年間で10回の転職経験の中での具体的なエピソードにある。
心が折れかけそうな状況であっても、そこから這い上がり、次々と新しい職場に挑戦していく。
10回転職しているということは、10回も新しい環境に入り込んだことを意味する。この事実だけでも自分にとっては驚愕だ。
自分も4月から新しい職場環境に直面しているが、正直いろいろと分からなさ過ぎて困惑している。
この状況を10回と思うと、それだけで尊敬に値する。もちろん回数をこなすだけ慣れてくるということはあるだろうが。
本書の中で特に目を引いたのが「スペックではなくストーリー」という点。
ストーリーと聞くと、楠木建氏の『ストーリーとしての競争戦略』を思い出すが、企業も個人もスペックでなくストーリー、物語を、物語で語ることが肝要ということだろう。
どういうことができる、何を持っているという現時点での状況というより、現在までにどういった時間的な流れ、連続性があるか、ということを語れることこそ、他社や他者との差別化要因になる。
そういう意味でいうと、自分はまったくもって魅力的なストーリーを語れない。いや、語ろうとしようとも思っていないからストーリーがないだけかもしれない。
逆に言えば、どういうストーリーを語りたいか、そこが決まればそれに沿った行動を自分で選択していくこともできるということになる。
理想を描き、そこと現実のギャップを埋めるという行為に近い。
もちろん描いていたとおりのストーリーに現実がなるはずもないのだが、それでも人生の指針としてストーリーを持とうとすることは役に立つかもしれない。
また英語に苦労してきたという著者が実践してきた英語勉強法についても結構具体的に記載されており、それも参考になる。
とりあえず自分は毎日教訓を3つ書くことを続けるようにしたい。
30歳へ、というタイトルにはなっているが、必ずしも30歳・30代だけでなく、20代でも勉強になるし、40代でも為になる内容も多くあるはず。
一言学び
スペックよりも、自分のキャリアを貫くストーリーが必要だ。
コメント