
読書レビュー:『黎明 日本左翼史 左派の誕生と弾圧・転向 1867-1945』(池上彰/佐藤優)
そのなかでも戦前と戦後の違いとして「戦前はナショナリズムと宗教と左翼運動が渾然一体となって」いることが挙げられているのは興味深かった。
今となってはこの3つが同列に扱われることはないし、むしろ相容れない部分が多いように感じるが、戦前においてはそれらが一体となっていたというのは意外な部分であり、このフレームがわからないと戦前の左翼史がわからなくなるという。
世界的に反移民の潮流が広がるなかではナショナリズム、国内外で対立の根源となっている宗教と左翼運動がどう結びついていたのか。
このことを整理しておくことは今後の政治的・社会的な動きを掴むのに活きてくるはず。
本書は比較的理解できたとはいえ、まだまだ消化不良の部分も多い。
この4冊目でシリーズは完結ということなので、まずは本書も含めもう一度本シリーズを読み直すようにしなければ。。。