読書レビュー:『絶対悲観主義』(楠木建)
確かに「あのときは良かった」「あのとき出かけてこんなことがあった」「あのとき誰かが〜と言った」など、過去の話を振り返っているときは楽しかった思い出であり、それを噛みしめることで幸せを感じているといえる。
「過去を振り返っているのは時間の無駄」とか、「今を生きろ」とか、色々と過去や過去の記憶を否定する言説もあるけれど、最終的に死ぬ直前に考えるのはきっと楽しかった思い出であることを考えれば、やはり過去の思い出は重要な幸福の源でありそう。
その他にも、人を行為主義で見るとか、時間の貯蔵性のなさ、失敗したときは何もするな、など各テーマどれも面白く、かつ参考になる内容だった。
この本は読んでいて文字通り時間を忘れてしまった。
すごい硬い本だったり、特定の勉強のための本だと、時間を忘れて本を読んだという経験はしづらいので、やはりこういうのはエッセイや小説に特有なのかもしれない。人にもよるだろうけど。
おすすめの一冊です!