仕事をしていると契約書や規則など堅い文章を読まないといけないことが多々ある。
そういった文章は当然のこと面白くはないので、ついつい斜め読みして、サーッと読んでしまいがちだ。
わたし自身もどちらかというと斜め読みのタイプで、結構いい加減に読んで、後になって失敗したという経験が割と多い。規則などを読んでいなかったことで申請方法を間違えたのはもちろん、長めのメールをちゃんと読んでおらず筋違いな対応を取ってしまったこともある。
この問題の解決方法は至ってシンプルだ。文章をちゃんと読めばいい。
ちゃんと読めば、よほど難解な文章であったり、支離滅裂な内容が書かれていない限りは誤った対応を取ることはなくなる。
しかし、このちゃんと読むということが案外できない。理由は単純で読むのが面倒だから。
だいたいメールでさえもちょっと長くなると読んでもらえなくなる。これはよく言われることかもしれないがメールは読むものではなく、見るものなのだろう。ちょっと見てわかるくらいのレベルでないと、相手にとって重要でないメールは全く読んでもらえない。
それほどまでに興味のないものを読むということは苦痛なのだろう。
しかしながら、裏を返せば文章をしっかりと読むだけで、他の人と差別化できるということでもある。先日読んだ『手ごわい頭脳』という本のなかで、まさしくこのことが指摘されていた。
「訴訟業務をしない弁護士にとっても、attention to detail (細部に注意して、抜け目がないようにすること)」が基本中の基本である。ちなみに、細部に注意することは誰でもできる。(中略)この能力は、法律と関係のない仕事でも簡単に発揮できる場面がある。それは、文書をちゃんと読むことだ。法律文書はもちろんだが、一般のビジネス関連の文書のほとんどは退屈で、できれば読みたくないようなものが多い。したがって、斜め読みするだけだったり、読まずに人から説明を受けたりして済ませようとする人が少なくない、というのが私の経験だ。がんばってそういった文書を読んできちんと理解するだけで、周りにいる人より「できる」と思われることになったり、会議等で的を射た発言ができたりする機会が増えるかもしれない」(pp. 86-7)
どうやら文章をちゃんと読まないのはアメリカでも共通のようだ。
もっとも、ちゃんと読んでいてもわからないというケースもあり得るが、それに関しては読解力の問題になってくる。
その改善策などについては『AIに負けない子どもを育てる』辺りを読んでみると参考になるだろう。
ちなみに、わたしはこの本で出てくるリーディングスキルテスト(RST)を受験したこともある。そろそろもう一度受けてもいいかもしれない。
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