読みたいと思ったきっかけ
本屋でたまたま見かけたのが購入のきっかけ。
津田久資氏の『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか ── 論理思考のシンプルな本質』という著作を以前に読んだことがあったので、それも手に取った理由になっている。
内容
目次
目次は以下のとおりとなっている。
はじめに | ||
第1章 | : | 企業とコンサルのミスマッチはなぜ起こるのか? |
第2章 | : | コンサルティングは本当に役に立つのか? |
第3章 | : | 企業を変えるコンサルタント7つの条件 |
第4章 | : | ひと目でコンサルの実力を見抜く方法 |
第5章 | : | コンサルタントとの賢いつき合い方 |
内容
わたしの気になった箇所について記載する。
はじめに
■コンサルタントやビジネスマンに必要な資質が「考える力」だというと、「それはそうだろう」とか「わざわざ特筆するほどのことか」という人が多いかもしれません。しかし私は、本当の意味で「考える」ということを理解している人は残念ながら少ないと考えています。何を隠そう私自身も、当時はこの言葉の真意を完全には理解できていなかった気がします。(津田)
第1章(企業とコンサルのミスマッチはなぜ起こるのか?)
■コンサルタントは企業の依頼と目的に応えるべく、コンサルを行うものだ。コンサルタントにその目的を聞くのは、本末転倒も甚だしい。明確な方向性や目的もなく、とにかくコンサルタントに頼めば、何か会社にプラスになるのではないかという安易な受け身の姿勢でコンサルタントを雇う。(堀)
■相手の話を聞きながら、つねに矛盾点や不足している点を指摘する。一見論理的で頭が良さそうだ。いかにも自分の考えがあるように見えるだろう。ただし、このように重箱の隅をつつくように相手の揚げ足を取る人物ほど、本質的なところの思考力が希薄な場合が多い。(堀)
■これは学者でもそうで、一流と呼ばれる学者ほど、一般の人にわかりやすく専門分野を話してくれます。二流、三流の学者ほどあえて難しい言葉や表現を使って、自分を大きく見せようとします。あるいは、自分の無理解をごまかそうとします(多くの人は、無理解であることを自覚していませんが)。(津田)
第2章(コンサルティングは本当に役に立つのか?)
■いまの時代、10年先までは技術の進歩が速くてなかなかわからない。ただ、5年先は大学や企業の研究室が何を研究し、どんな開発を行っているかを見れば、5年後に実用化されるものはかなりの確度でわかるはずだ。(堀)
第3章(企業を変えるコンサルタント7つの条件)
■コンサルティングを引き受けた限りは、まずは短期間でその会社や業界の膨大な情報と知識を学び、吸収する必要がある。卓越した学習力がコンサルタントには求められるわけだ。(堀)
■つまり、どんな会社でもある程度生き残っている会社なら、いいところ=長所が必ずあるはずだ。まずはそれをしっかりと認識することが大事ということだ。得てして人は、欠点ばかりに目が行き、自分たちの良さに気がつかない。悲観的で後ろ向きの思考からは、けっして良い発想や行動は生まれないだろう。(堀)
■そのために、私は最低でも30年は過去をさかのぼる必要があると考えている。過去30年の世の中の動きや業界のデータを調べ、それをできる限りグラフ化するのだ。たとえば「売り上げ」と「収益率」の関係だとか、「収益率」と「店舗数」の関係だとか、過去30年を振り返ってデータを収集し、それをグラフにする。すると明らかにグラフの形が変わる「変曲点」が出てくる。それが世の中や時代の変わり目だ。それを取っ掛かりにしてさらに調べると、世の中が大きく変わることが予測できたりする。(堀)
第4章(ひと目でコンサルの実力を見抜く方法)
※特になし
第5章(コンサルタントとの賢いつき合い方)
■一番の問題は、知識偏重の人物ほど、自分の頭でものを考えていないということです。(堀)
コメント
伝説のコンサルタントと言われる堀紘一氏が各章のテーマに基づいて考えを述べ、それを受けてかつて一緒に働いていた津田久資氏が補足で考えを加える形の構成となっている。
もはや説明不要なくらいコンサルティングという仕事は人口に膾炙してきた印象を受けるが、これだけコンサルティングの業務が拡大され、人数も増えてくると、クオリティにばらつきが出てくるのは仕方ないところ。
それを踏まえてどうすれば「本物」を選べるかというのが本書のテーマとなっている。
私自身のかなり少ない経験からも、コンサルティングを依頼する側が問題意識や目的、ゴールをあらかじめ設定しておく必要性があるというのは強く思うところ。
コンサルティングにお願いすると色々と調査してくれて、データの整理や動向把握はできるが、それを受けて実際にどのように業務を進めるか、制度を変えるか、は依頼者が最終的には判断しないといけない。
ついつい「答えを教えてください」という受け身の姿勢でコンサルティングの話を聞いてしまうが、この姿勢を根本的に改めないと何も解決はせず、ただ高いお金だけを支払うことになってしまう。
この著作を通じて、発注側の意識も大切という点を再認識できたのが一番の収穫かもしれない。
一言学び
明確な方向性や目的もなく、とにかくコンサルタントに頼めば、何か会社にプラスになるのではないかという安易な受け身の姿勢でコンサルタントを雇う。
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