読書レビュー:『説明がうまい人はやっている「数学的」話し方トレーニング』(深沢真太郎)

読書

読みたいと思ったきっかけ

土井英司氏のビジネスブックマラソンで紹介されていたのがきっかけ。

自分も話し下手、説明下手なので、その改善を図らなければと常々思っているので、その一助になるかと考えて購入した。


内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

 

はじめに    
第1章 なぜ「数学的に話す」なのか ~数学とは説明である~
第2章 数学的な話し型 ~「頭がいい人」の話し方を科学する~
第3章 定義してから話す ~「頭がいい人」の始め方~
第4章 分解して話す ~難しいことをわかりやすく伝える秘訣~
第5章 比較して話す ~物事を意味づけして伝える技術~
第6章 構造化して話す ~もっと深く伝わる魔法~
第7章 モデル化して話す ~正しそうに伝えるコツ~
おわりに    

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

第1章(なぜ「数学的に話す」なのか ~数学とは説明である~)

・数学的思考とは5つの行為で成り立っている。

  • 定義
  • 分解
  • 比較
  • 構造化
  • モデル化

・数学というものをもう少しだけ具体的に説明すると、まず定義し、次に分析し、最後に体系化することで物事を説明する学問になっています。そして分析とは具体的には分解と比較で成り立っており、体系化とは構造化とモデル化で成り立っています。

第2章(数学的な話し型 ~「頭がいい人」の話し方を科学する~)

・「導入→主張→解説→結論」この4つのうち、話す内容を考えるにあたり悩む必要のない箇所が2つあります。「主張」と「結論」です。例えば先ほどの就職活動をする学生の例でも、「行動力が強みだ」という主張したい事実が先にあるわけですから、ここで考えたり悩んだりする必要はありません。つまり、私たちが話をするときに悩む箇所は、「導入」と「解説」ということになります。

第3章(定義してから話す ~「頭がいい人」の始め方~)

・かつて私が会社員として働いていた頃、次のようなフレーズをまず冒頭で伝えたうえで本題を話し始める人物がいました。「深沢さん、情報共有です」「山田さん、相談です」「部長、承認してもらいたいことがあります」

・もしかしたらあなたは「そんなこと誰でもやっている簡単なことだ」と思われるかもしれません。確かに、簡単なことです。しかしこのようにシンプルすぎるスタートを徹底してできる人はそうはいません。

・言葉を定義する→人は知らない言葉があるだけで話を聞かなくなる(理解できなくなる)

・場を定義する(時間・前提・目的)→相手のつもりをコントロールする

第4章(分解して話す ~難しいことをわかりやすく伝える秘訣~)

・本書における私の仕事は「ではどうやって自分の話す内容を事前に因数分解するのか?」という問いに答えることです。いまからまさにその手法についてご提案をしてまいります。具体的には次のステップで行います。

  • STEP1 相手が理解するために必要な最低数の要素を挙げる
  • STEP2 その要素に順番をつける
  • STEP3 各要素について、それを相手が理解するために必要な最低数の要素を挙げる
  • STEP4 その要素に順番をつける

・極めて重要なことを申し上げます。わかりやすく伝わる内容は、このように図解することができ、そしてそれは必ず「塊」と「矢印」で表現できます。

第5章(比較して話す ~物事を意味づけして伝える技術~)

・結論から申し上げると、私には次のような価値観があり、比較というものをすべてこのように捉えています。比較とは、引き算である。

・<数字で話す人の思考回路>比較して話そうとする→数字が必要になる→数字による比較ができる→説得力ある意味づけができる→最適な数会話になる

・「どういう比較が正解?」の答え

  • ①あなたのしたい意味づけができる比較を選ぶこと
  • ②話す相手がその比較対象をよくわかっていること

・知らないものと比較されてもわからない。私たちは、何かと何かを比較すること、そこに自分にとって都合の良い意味づけをすること、説得力を備えること、そんなことばかりに熱心になってしまうあまり、この当たり前のことを忘れてしまうことがあります。

第7章(モデル化して話す ~正しそうに伝えるコツ~)

・結局のところ、説得力ある話とは正しそうな話のことです。正しそうな話とは、本書でご紹介したような数学的に話した結果のことです。つまり説得力ある話とは、数学的に話した結果のことです。極めてシンプルな三段論法ですが、私はこれが本質だと確信しています。

コメント

話の「型」が体系化されており、どういう手順で話を進めればいいのかがわかりやすく書かれている。

話すときや文章作成のときに「型」としてよく提唱されるものに、PREP法(Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論))がある。

「結論から先に言う」というフレーズはよく聞くものだが、それを「型」としたものがPREP法といえる。

ただ、当たり前のことであるが、いきなり結論を話していいのは、伝える相手が話す内容を事前に知っていることが前提となっている。

その前提がないのにいきなり結論を言われても理解できないし、そういうケース(相手が事情をわかっていない場合)の方がコミュニケーションの場面では多いようにも思う。

そういった場合には、本書で提唱されている「導入→主張→解説→結論」という流れのほうが適しているように感じる。

その意味でいえば「導入→主張→解説→結論」の流れに沿った話し方を学べるのは有益である。

とはいってもこの手の話は、頭で理解するだけでは駄目で、自分で実際に話して使ってみないと身につかないのだけれど・・・。

わたしもまずは直ぐにできそうな「相談です」「情報共有です」と会話の冒頭につけるところから始めてみたい。

一言学び

シンプルすぎるスタートを徹底してできる人はそうはいません。


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