読書レビュー:『仕事の教科書』(北野唯我)

読書

読みたいと思ったきっかけ

TOEIC L&R Testの帰りに本屋で見つけたのがきっかけ。

北野唯我氏の著作はほとんどを購入して読んでいる。ずっと読もうと思っていたKindle版『内定者への手紙』を原作として大幅にリライトしたのがこの著作ということも購入した理由ではある。

自分と年齢がほとんど変わらないのに圧倒的な成果を残していて驚愕してしまう。


内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

はじめに    
CHAPTER 1 「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術
CHAPTER 2 「わかりづらい」から脱却するための文章化術
CHAPTER 3 相手から「Yes」を引き出すための提案術
CHAPTER 4 健康と成長を両立させるためのセルフコントロール術
おわりに    

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

CHAPTER 1(「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術)

・ゆっくりとしたスピードで働くことに慣れた人が、そのあと速いスピードに変えるのはむずかしい…だから、いま、あなたが何歳だとしても、できるだけ早く、いや、今日から、「スピードを重視して働くこと」をおすすめします。

・じつは仕事が早いと評価されるうえで重要なのは、タイムよりタイミングなのだ。その理由は単純で、「タイムの問題は自分だけの問題」だが、「タイミングの問題は他者が関わる問題」だからだ。

・なにかをはじめようとするとき、究極的に大切なことは、「まず目標を明確にする」なのである。逆に言えば、先に目標を明確にしない人は、どこにも行けないということでもある。

・だから、面倒くさくても、自分のタスクを分解し、計測する。これを若い頃に、半年に1度でいいのでやってみてほしい。それだけでほぼ100%、ほかの同年代よりも、仕事のスピードが上がってくる。なぜなら、ほかの人はやらないからだ。

・そもそも、もっとも効率的な戦い方とは、ほかの人がやらないけれど価値のあることに、先んじて投資することだ。それは「戦略の本質」とも言える。

・つまり、タグ付けとは、「いつやるのか」と、「どのように取り組まないといけない作業なのか」の目安を事前に示すことで、実行する側のハードルをぐっと下げる効果があるのだ。

CHAPTER 2(「わかりづらい」から脱却するための文章化術)

・いい話し手であり、いい書き手であり、いい営業マンであり、いいマーケターである人は、動詞の使い方が抜群にうまいのだ。

・「短文を書けること」こそが、文章作成のコツであり、「わかりやすさ」のためには、まずはこちらをめざしたほうが100%いい。

・したがって、とにかく文章が苦手な人は、「迷ったら、形容詞などは無視してでも、短文をめざせ」なのだ。

・でも、本当は順番が逆なのだ。文章がうまいから短く書けるわけではなく、短く書こうとするから文章がうまくなっていくのだ。

・つまり、「先に目標、成果は後」。こういう順番なのだ。とても重要なことなので、何度も声に出して、頭に叩き込んでほしい。「先に目標、成果は後」だ。

・結局、ビジネスでもなんでも行き着くところ、心・技・体のすべてがとても重要になる。

CHAPTER 3(相手から「Yes」を引き出すための提案術)

・それは、「どれだけ複雑な計算問題を解けるのか?」よりも、「複雑そうに見える問題を、いかにシンプルな問題に置き換えて、だれでも解ける状態にできるのか?」のほうが、じつは数億倍も価値がある、ということだ。

・ただし、大切なのは、その中でも「あなたなりの優先順位」をもっておくことだ。その理由は、提案とは「意志」であり、物事の成功確率は、提案の質以上に「意志の強さ」が決めることが多いからだ。

CHAPTER 4(健康と成長を両立させるためのセルフコントロール術)

・アンガーマネジメントとダウンマネジメントにおいて重要なのは、怒りや悲しみを「完璧に防ごうとする」のではなく、「長引かせないこと」である。

・ではどうすればいいか?それは「そうなったとき、まずどうするか?」を、「事前に」決めておくことだ。

・もう1つ、意外と効果的なことは、寝具や電化製品に使う額を、一桁上げることだと思う…なぜ「一桁上げる」のかというと、その理由は「ターゲット層が違う」からである。…だから、それらのサービスを体験することで、自分の視座を上げることができる。

・タコは、ほかの生物に切られた足は、自ら修復することができるが、自分のストレスによって自傷した足だけは、直せないという。同様に、嫉妬という感情のむずかしさは、自分で自分を傷つけていることだ。

私は30代になって確信しているが、健康かつ、常に成果を出し続けるためには、間違いなく、サードコミュニティに1つ以上は所属していたほうがいい。その理由は、自分の価値観をタコツボ化させないためである。

・MustをWillとCanに引き寄せること。これはある意味で、最終奥義とも言えるような、人生のライフハックである。

・年齢や環境が変わると、常に最適な「自分の取扱説明書」は変わっていくものなのだ。

コメント

全体で160ページ弱なのでページ数も多くなく、イラストも豊富でとても読みやすい本。一通り読むだけであれば1時間半くらいで読むことができる。

内容としても仕事をどうすれば早くこなせるか、どうすれば文章がわかりやすくなるか、どうすれば提案が通りやすくなるか、といった重要な問題を扱っている。

ターゲット層は新社会人から社会人5年目くらいとされているが、社会人8年目の自分が読んでも大変参考になった。

「すぐやる」

特に先延ばし癖のある自分には「すぐやる」=依頼された日のうちに、0.01%でもその作業に取り掛かること、が役に立った。

依頼された仕事の期限に余裕があったり、他案件が立て込んでいたりすると、ついついその仕事を先延ばしにしてしまうことがよくある。

こうして先延ばしにすると、どんどんその仕事に取り掛かるのが億劫になることはこれまで幾度となく経験している。

その対策として、本書で提案されている「すぐやる」を実践してみると、ある程度の全体観を何となく把握できるので、後々仕事をしやすくなる。また作業興奮効果のせいか、いざ仕事をすると思いのほか進んでしまうこともある。

こうして考えてみると「すぐやる」を実行しない手はないように感じる。

「自分の取扱説明書」

また本書では「自分の取扱説明書」を作ることが推奨されている。

怒りや悲しみを感じたときの対処法を中心に、自分の中で日常と非日常のなかで何をポジティブ・ネガティブに感じるかを言語化して把握していくことで、自分をマネジメントするための取扱説明書を作成する。

確かにこうして取扱説明書を作れば、いま自分がどの状態にいるかをメタ認知できるようになるし、ネガティブな状態であればその対策を取ることも容易になる。

わたしとしてはアンガーマネジメントまでは意識していてがダウンマネジメントについてはそこまで意識的になっていなかったので、今後取り入れていきたいところ。

また自分の取扱説明書自体の発想もなかったので、自分の状態を客観的に把握するためにも自分がどんな時にどんな感情を抱くのかを言語化していきたい。

まとめ

ここのところ、大学生だったり新社会人向けの本が目に付くことが多い。つい最近読んだ『東大金融研究会のお金超講義』もそうだった。

季節柄、こういったジャンルの書籍の売上が伸びるのもかもしれない。(詳細はわからないけれど)

一見するといい大人がこうした学生、若手向けの書籍から学ぶことはなさそうだが、実態としては色々と学ぶことや気付くことが多くある。

年を取るにつれて段々と基本を忘れ、非合理な我流が身についてしまっていることが往々にしてあるからこそ、こういった書籍からも学べることが多いのだろう。

もっともこうした書籍から学ぶべきこと多いということは、これまでまともに何も身についていないことの裏返しでもあるけれど・・・。

とはいえ結果が出ていない状態を放置してしまうよりも、やり方が間違っていたことを認めて素直に修正していく姿勢を持つことも悪いことではない、はず。

そういう意味では今回の書籍も新社会人や若手のみならず、中堅やベテランの社会人が手に取っても学びや気付きが得られるはず。

一言学び

先に目標、成果は後。


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