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読書レビュー:『「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋 フリーランスが訳し、働き、食うための実務的アイデア』(井口耕二)

このあたりを指摘したくなるのは、自分自身は原文をきちんと読めるというプライドや自負心を示したいがためなように勘ぐってしまうことがたまにある。 建設的なやり取りならばいいのだろうけど・・。 しかし、ここまで徹底的に調べて訳文を紡ぎ出しているとなると、機械翻訳とはまだまだ差が埋まらないように感じた。 機械翻訳の精度が今後も上がり、いずれはこういった周辺情報や日本語との構造的な違いまで把握したうえで訳文創出ができるようになるのだろうか。 プロフェッショナルがどこまで真摯に取り組んでいるかを知るという意味でも本書は役立つはず。
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読書レビュー:『働くということ「能力主義」を超えて』(勅使川原真衣)

個人的には事例として挙げられていた、人事採用においての指摘である「いざ選ぶ段階になると、自分にとって「都合がいいか」を無意識的に見てしまうことは、人の性です」というのが刺さった。自分と競合しそうな人を回避してしまうというのは、まさに自分も感じていたことであったので、耳の痛い話。わたし自身含め、自分の潜在的にも顕在的にも敵・競合になり得る人を意識的にも無意識的にも遠ざけようとしている。この認知の歪みは確かに自覚的になっておく必要があると強く感じた。自分自身は管理職でもないので、チームを率いることもないが、良いチームを構築するという視点からも本書の知識・知恵を持っておくのは有効なはず。
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読書レビュー:『どう生きる?ー人生戦略としての「場所取り」の教科書』(藤原和博)

こういう考えに嫌悪感や卑しさを感じながらも、結局は日常の場面場面で、この考えに支配されて行動してしまう。 自分自身で築き上げた明確な価値基準がないからこそ、他者の目を気にし、他者との比較のなかで自分のポジションを決めようとする。 ただ、人との比較は幸福から遠ざかる行為。この考えを脱却しないことには幸福になれないことをまた意味する。 どうやってこの価値観から逃れるか。価値観が個人単位だけで形成されず、文化的・社会的な影響も大きく受けることを考えると、容易に脱却できない気もするが、地道に考えを修正していく他ない。
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読書レビュー:『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学』(古屋星斗)

偶発的にあてがわれたり、担当となった業務において成長が促される可能性を最初から無くしてしまっていいのかどうか。 ここは非常に悩ましい部分であり、結果論でしか判断できない気がするが、少なくとも自分のいる組織では、そもそも「本人の希望通り」に進むことも許されていない状況なので、この議論は遙か先にあるように思えてしまうけれど・・・。 本書は、若手育成の指南書であったり、現在の若者の特徴を教えることをメインに想定していると思うが、20代後半から30代が自分自身のキャリア戦略上のヒントを掴むために読むことも有益である。 古屋星斗氏の著作は今後も追いかけていくことになりそう。
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読書レビュー:『グリム、イソップ、日本昔話-人生に効く寓話』(池上彰/佐藤優)

要はバランスの問題なのだろうけど、中庸を取ることは難しいのかもしれない。 それではどういったスタンスで物事を見ていき、アクションを取るべきなのか。 その答えはきっとフルコミットとニヒリズムの間にあるはずだが、それはケースバイケースで答えは一つにはならないような気がしている。 これは各人がそれぞれどういった態度で望むべきか、それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら、バランスを考えながら構築していくしかなさそう。。この態度は中途半端な気がして、あまり我が意を得たりという感じにはなりづらそうだが。 自分自身の仕事観や人生観をふと立ち止まって考えるきっかけになるので、そういった視点からもオススメできる1冊。
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読書レビュー:『神学でこんなにわかる「村上春樹」』(佐藤優)

『騎士団長殺し』自体も結構長い作品なので、自分のようにそれを読破する自信がない人にとっても有用なように思う。 また「あとがき」に、村上春樹氏の最新作である『街とその不確かな壁』に対する佐藤優氏の読み解きも書かれているも嬉しいところ。 佐藤優氏の解説があれば読み進めることができそうなので、この調子で『1Q84』『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』なども同じ形で解説書が出ると個人的に嬉しい。 村上春樹氏のファンの方がこの手の書籍を手に取るのかわからないが、わたしのような村上春樹氏の初心者の方にはオススメできる1冊。
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読書レビュー:『組織を生き抜く極意』(佐藤優)

自分自身もノンポリというか、あまりそういったものに関与している自覚もないので、問題児か能力がないのかもしれないけれど・・・。 この話はスタンスを取る取らないという話にも通じているかもしれない。 組織を生き抜くうえでのヒントはもちろん、人生トータルでのヒントも何かしら得られるので買ってみて損はないはず。 ただ、最近新書の値段が上がってきている。今回の書籍も税込みで1,155円。昔なら税込みで900円くらいだったろうから、2-3割は値段が上がっているように思う。 特に青春新書は高めに設定している気がする。さすがに1,200-1,300円の新書となると、もはや単行本の値段になってくるのでやや購入を躊躇わざるを得ない。。。
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読書レビュー:『人生で読んでおいた方がいいビジネス書75冊』(土井英司)

何かを極めている人の言葉はどの分野でも通じるヒントや真理が含まれているように思う。 その意味でもこの書籍は是非目を通したい。 また『思考の穴』も読みたい。紹介されている「流暢性効果」がまさしく自分に当てはまるので苦笑してしまったところで、この本も面白そうに感じた。 こういった書籍をきっかけに色々と読みたい書籍が増えるのは楽しい。 が、やり過ぎると積読を増やすだけなので、そのバランスが難しいけど。 75冊紹介ということもあり、1冊の紹介は数ページで終わるので読むのもとっつきやすいので、読書慣れしていない方もぜひ。
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読書レビュー:『正しさってなんだろう 14歳からの正義と格差の授業』(佐藤優)

一見すると他の道に移ることは「逃げ」のようにも見えてしまうが、そもそも人の能力適性は遺伝レベルで違うことを考えれば、自分の適性と思われる分野に進むことは決して「逃げ」とは言えないだろう。 それぞれ自分が得意な分野で活躍できるように目指していくことは合理的な選択。 これは言うは易く行うは難しで、自分も含めてそれができないので困っている部分はあるが・・・。 大人が機微なテーマの概略を掴むのにも役立つが、子どもに対して親がこうしたテーマを説明するときのヒントとしても有用に思う。 もちろん子どもにプレゼントしても良いが、中学生のときの自分が親からプレゼントされた本を読むかと言われると、少し疑問ではあるけれど・・・。
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読書レビュー:『コンテクスト・マネジメント』(野田智義)

行動を規定しているのがマインドセットやメンタリティであることを考えれば当然なのであるが、ついつい忘れがちになってしまう点でもある。 「仏作って魂入れず」ではないが、会社という組織の一員としてどういったマインドセットを持つかは、価値観が多様化して、一つの方向に価値ベクトルを向けるのが難しい現代において、より重要になってくるように思う。 上記以外にも3Mの取り組み事例なども紹介されており、管理者側としてはもちろん、組織で働く人であれば管理者でなくても示唆に富む内容があるはず。 わたしもまだまだ一兵卒の平社員であって、マネジャーでもなんでもないが、マネジャーがどういう視点を持つべきか、その視座を持つという意味において本書は有用だと感じた。
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