読書レビュー:『教養としての「病」』(佐藤優/片岡浩史)
勤務医としては大学病院の勤務医が年収2,000万円を超えないというのも知らなかったし、開業医であっても平均2,730万円というのも想像よりは少なく感じられた。
そういった背景もあって、美容整形の世界に行って若くしてお金持ちになるという道を目指す人も出てきているのだろう。
お金を稼ぐことを第一に考えるのであれば、医者という職業は必ずしも適さないということかもしれない。
これはどの職業にも多かれ少なかれ言えることかもしれないが、特に公共性や公益性の高い仕事はより当てはまるように思う。
医療の問題は根深そうで、一気に変えることが難しそうではあるが、現状どういった問題点があるのかを把握できる点でも本書は一読する価値がある。
それにしても佐藤優氏の病状がファンとしては心配であるし、そんな中でも仕事を続ける佐藤優氏の倫理観に敬服の念を抱く。