佐藤優

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読書レビュー:『戦時下の外交官』(佐藤優)

本書のなかでも当時の大島駐独大使が「大使は本省の訓令に従って動いているだけである。従って政策の遂行に対して責任はない」と語ったというエピソードが記載されている。 誤りを認めずに、自己保身に走る。どの時代にもそういった類の人物はいるし、自分自身もそうなってしまう可能性を常にはらんでいる。 こういった個々の事例を知りストックしておくことで、日頃の行動を律するようにできるかもしれないし、緊急時にも後ろ指を指されない行動を取れるかもしれない。 もちろんその時になってみないとわからないが・・・。 結局は後世の人が歴史・過去を評価する際に後ろめたさのない言動をいかにできるかに掛かっているように感じる。わたしのような小市民ではここまで意識する必要ないかもしれないが。 戦争という極限状況における人間模様・状況を学ぶためにも、また当時の外交官の世界を垣間見るためにも本書は有益に思う。 ページ数が多いので少し分厚く、取っ掛かりづらく感じるかもしれないが。。。
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読書レビュー:『大日本史』(山内昌之/佐藤優)

世界史を学ぶ場合には日本史は大きくは近現代以降にしか登場しないし、日本史を学ぶ場合であっても日本と世界の関わりについてはそこまで主眼が置かれていないように、少なくとも私が学生のときは感じた。 そういった状況を脱し、世界史における世界から日本への影響や、逆に日本史における日本から世界への影響、といった視点から本書は日本の歴史を振り返っている。 しかしながら、歴史の知識をある程度体系的に暗記しておくことの重要さは大人になるほど身にしみる。 中学生や高校生のときに歴史の流れや最低限の知識を丸暗記して頭に入れておくことは、その後の大学生活や社会人になっても極めて有用であるように思う。 最近は丸暗記はナンセンスで必要なときに調べれば問題ないという風潮が強いが、結局頭に知識がないと読解力も落ちるし、そもそも学ぶスピードが段違いに遅くなる。 そういう意味では、如何に義務教育や高校生のときに基礎的な知識を叩き込めるか、というのは死活的に重要になってくると思うのだが、如何せんこの考えは前時代的過ぎる感は否めない。 もはや学生ではない自分にとっては今さらではあるが、最低限の歴史知識は入れていかないと。 大学受験用の日本史・世界史を勉強を通じて知識強化を図ろうか。。。
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読書レビュー:『子どもに語る前に 大人のための「性教育」』(宮台真司/岡崎勝)

読みたいと思ったきっかけ こちらも『経営リーダーのための社会システム論』と同じ理由で、宮台真司氏の名前で検索したときに新刊として出てきたので購入した。 /おそい・はやい・ひくい・たかい 112 / 岡崎勝/編著 宮...
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読書レビュー:『完全読解 司馬遼太郎『坂の上の雲』』(佐藤優/片山杜秀)

自分は『坂の上の雲』を読んでのは高校1年生のときだったので、もう読んでから15年くらい経っている。 当時は読書にも不慣れで、語彙力も不足していたので、国語辞典で言葉の意味を調べながら読書していたのが懐かしい。 振り返って考えてみると、あのときに国語辞典を引きながら読書したことが意外と今の自分の語彙力の土台になったような。 初めて長編の作品を読んだので、読み終わったときの達成感がとても爽快に感じられたことを覚えている。 文庫本で8巻あるので簡単に読めるものでもないが、もう一度読み直してみても面白いかもしれない。 佐藤優氏が本書のなかで言うように、自分も歳をとったのでまた違った印象や感想を抱けるかもしれない。 そのときに本書の附録は役立つこと間違いない。「『坂の上の雲』をこれから初めて読む」という人にとっては本書を副読本としてセットで読む方が理解しやすく、また史実と異なる部分についても把握できるので、是非手元に置いておくことを薦めたい。
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読書レビュー:『世界史の分岐点』(橋爪大三郎/佐藤優)

そこまで特化したわけではないが、理系的な技術の進展の話を久々に本で読んだ気がする。 テクノロジーの進歩に疎いと現代ではまったく話についていけなくなるという思いを改めて強くした。 もはや技術的な基礎知識が頭に入っていないと何もできない状況になりつつある。こういった知識のアップデートも日々進めていかねばならない。 そういった意味でも本書を読むことは理科系的な知識の重要性を知るきっかけになる1冊だと思う。
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読書レビュー:『なぜ人に会うのはつらいのか』(斎藤環/佐藤優)

対談形式であるので文体も平易であり、すぐに読むことができるのもこの本の利点。 読みやすさがあるとはいえ、それが必ずしも簡単な得るものの少ない本というわけではない。 コロナウイルス感染拡大によって浮き彫りになった「人と会う」ということの意味やその特性を言語化して知るには適した1冊といえる。
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読書レビュー:『激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972』(池上彰/佐藤優)

革マル派、中核派など単語単語を聞くことはあっても、それがどういう系譜に連なっていて、どういった思想背景を持っているかまでは調べていなかったため、この本を通じて概略を知ることができた。 各派がどういう理論に基づき、どういった思想背景を持っているかを都度都度確認をしないと読んでいてわからない部分が出てくるので、その点は少し大変さは伴うが。 東大安田講堂事件やあさま山荘事件など、ニュースで聞いていた事件の背景をドキュメンタリーのような形で把握することができたのが、この本で1番良かった点。 各事件の影響が次の事件につながったりと、ストーリーとして読めるので、そこは物語としての面白さがあった。(本書の特に後半部分) 本編の最後に「第三巻」に関する言及があるので、続編は決定済みの模様。次回も楽しみにしたい。
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読書レビュー:『無敵の読解力』(池上彰/佐藤優)

政治家自体を選ぶのは国民という制度上の建前を考えれば、結局そういった政治家を選択している国民自体が教養を重視していないという話に帰結するわけであるので、教養ある政治家が誕生するには国民側が教養を深める必要があるという結論になりそう。今回の書籍も当然そこを念頭に置いているのだろうが。 こんなことを言っているわたし自身も最近はまったく学術書を読んでいないので、これを契機にまた硬派なアカデミック本を読んでいかねばならない。 学術本を読むのは結構骨が折れるので、電車の中でさっと読むには適さないことを考えると、また時間の捻出が難しくなってはくるが・・・。
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読書レビュー:『読解力の強化書』(佐藤優)

メインとしては三浦綾子の『塩狩峠』の読解を通して、行間を読む力、すなわち真の読解力を身につけるためのヒントが述べられている。 行間を読む力。 テクストではなくコンテクストを重視する姿勢ともいえようか。 このコンテクストを理解する力の重要性については、確かにあらゆる場面で痛感することができる。 仕事でも友人関係、家族関係でも、人間同士のコンタクトがある場所ではどこでもコンテクストが存在する。そしてそこに流れる文脈を無視して言動することで何かしらトラブルが生じる。 当たり前のことだが、ついつい忘れがちである。 この本のなかで「文学作品を単なる娯楽や読み物だとして、低く見る傾向があります。それよりも学術書や専門書の方が価値が高く、レベルが高いように考えがちです」とある。 これはまさしく自分の高校・大学時代の考えだった。小説を読むという行為を単なる娯楽としてしか認識していなかった。 そこには「小説は役に立たない」という思い込みがあったように思う。 当時は「読書=何かを学習する」という定式化のもとに本を読んでいたので、小説はその範疇にはいっていなかった。 しかし、今となってはこの小説を軽視してきた姿勢を猛省している。 学生時代という社会人と比べて圧倒的に時間のあるときにこそ小説を読んでおくべきだった・・・。 後悔先に立たずで、いまさら嘆いても仕方ないのだが。 今からでも遅くないと信じて、これからは小説も少しずつ読んでいきたい。特にこの本でも薦められている夏目漱石については、わたしは前期三部作と『こころ』しか読んだことないし、今となっては内容もほとんど忘れている。それらの読み直しから始めて、夏目漱石のその他の作品も読んでいきたいところ。 行間を読む力を鍛えるという目的で小説を読む姿勢が良いのか悪いのかわからないが、とりあえず実行してみたい。
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読書レビュー:『危ない読書』(佐藤優)

恥ずかしながら紹介されている全ての書籍を読んだことがなかったので、計20冊の大まかな内容を知ることができただけでも、この本を買った価値はある。 選ばれている書籍も政治的なものから、ビジネス本、小説、ノンフィクションとジャンルも多岐にわたっている。 もっとも佐藤優氏の著作を読んでいる読者であれば、『わが闘争』『国体の本義』『戦争論』などは氏の著作でよく引用されてたりするので、完全に初見ではないはず。 紹介されていた本のなかでいうと、自分としては高橋和巳の『邪宗門』はずっと読みたいとは思っていたのだが、結局読めずじまいで来てしまった。。。 今回なんとなくのあらすじがわかったので、トライしてみたいところ。
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