橘玲

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読書レビュー:『新・臆病者のための株入門』(橘玲)

結果的には年始に一括投資しておけばよかったと後悔しているが、これは仕方ない。 自分自身は投資についてあまり詳しくないので、どこかで勉強していかないといけないという思いはあるのだが、それはそれで時間も奪われるので、それが良い選択なのか悩ましいところ。 本書でも述べられているように「稀少な時間資源を投資に使えば、それによって別のこと(仕事、勉強、趣味、家族・友人との交遊など)に割く時間がなくなってしまう」ことを考えると、何も考えずにとりあえず「オルカン」を積み立てしていくのでも良いのかもしれない。 「ほとんどのひとの目的は老後を経済的な不安なく暮らすことだろう」という指摘が重要で、何を目的としているかを忘れてしまいがち。 この目的を忘れると、ただただお金が積み上がっていくのが目的になってしまう可能性があるのは要注意か。
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読書レビュー:『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』(橘玲)

ホントは加害者であったときもあるのに、それを犠牲者であることを大きくフォーカスすることでオーバーライドする。 これは割と頻繁に散見される事象であるように思う。 じゃあどうするの、と言われると、結局うまくバランスを取っていくしかないという結論になるのはその通りだと思う。 でもこういった態度は「中途半端」とも捉えられやすいし、そういう意味であまり評価されないような気もまたする。。。
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読書レビュー:『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』(橘玲)

こういった前衛的な取り組みがどれくらい平凡な小市民である自分に影響してくるのか未知数ではあるが、少なくともそういう考え方や取り組みが行われている(行われようとしている)という事実は薄っすらとでも頭に入れておくのは重要に思える。 それがすぐさま何の役に立つのかはわからないが、世界が進んでいる大まかな方向性を示唆しているようには思えるので、そこを掴んでおくだけでもそれなりに意味はあるだろう。 それにしても政治哲学の領域で語られていた政治思想の話において、ここまでテクノロジーが絡んでくると、学問分野として文系領域では全く閉じないものになってきたと痛感する。 これはどの分野にも言える話なので今更ではあるが、学際的という言葉がより顕著に感じられるようになってきた印象を受ける。
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読書レビュー:『運は遺伝する』(橘玲/安藤寿康)

これを踏まえ、かくいう自分としては今後子どもにどう接していくか。 遺伝的な素養として知能が高いことはあまり期待できないし、運動能力が極めて高いということもなさそうではあるので、何かを強制して習わせることは避けるようにしたい。 本人の希望を聞いたうえで対応するのが一番だが、それだけだと視野が狭くなりがちなのが難点ではあるが・・・。 いずれにしても遺伝的な影響があることを認識したうえで、過度に子どもに期待しすぎることなく、なるべく本人の適性がありそうな活動にコミットできる環境を整えていくことを目指していきたい。言うは易く行うは難しであるが。
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読書レビュー:『世界はなぜ地獄になるのか』(橘玲)

個人レベルとしては上述のとおり、そういったトピックを避け、批判しないことが重要となってくるが、それが社会的なレベルで最適解なのかというと疑問は残るところ。といっても現実的に解決する方法がまったくなさそうであるが・・・。 やはり一個人としては半径5メートルくらいの親しい人とのコミュニケーションを重視して、面倒になりそうなことは避けるという態度で挑むほかなさそう。
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読書レビュー:『シンプルで合理的な人生設計』(橘玲)

とはいえ、個人レベルでいえば本書に書かれたとおりに行動すれば、少なくとも苦境に立たされる(多くは経済的に)ことはないだろう。 合理性が金融資本、人的資本により効いてくることを考えれば、少なくともその2つの分野で苦しむことはなくなる(はず)。 社会資本においては合理性で割り切れない部分も結構ある気がしているが、時間の制約という観点でみると、確かにある程度はリソースに対するリターンで考えることができる。(このあたりは議論がありそうだが) あらゆるリソースの奪い合いの様相を呈する現代において、どこにリソースを投下するかは重要な問題。だからこそ、そのリターンを最大化しようというのが本書のテーマであり、その指針を提示しているのだろう。 この手の話は大人はもちろん、もっと早い段階、例えば中学生・高校生でも読んでおくと、自分の人生におけるリソース配分を早くから考えられて有益かもしれない。(学生時代の無駄に思える時間が必ずしも無駄なわけではないけれど)
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読書レビュー:『バカと無知』(橘玲)

プラトンの哲人政治のようなイメージなのか・・・。 最近ではイタリアで右派政権が誕生したりと、世界各国でポピュリスト的傾向を帯びた政党が躍進しているが、こうした運動が一般的に大衆に支持されたものだとすると、本格的に資本家、知識人といった社会階層上部の人々が嫌悪感を抱いて、そこから脱出する術としてより資本主義を徹底して格差を拡大していくことで、テクノロジーを用いて大衆も満足させながら、現実世界への影響を完全にシャットアウトする方策を取るかもしれない。 直感的には嫌な印象を受けるものの、少し考えていくと「そういった世界で何も知らずに幸せに時を過ごすのも悪くないのかもしれない」と思い始める。 自分の認知としては知らなければ世界は存在しないわけで、そうであれば特にそういった体制に憤慨することもないだろう。これは諦念なのかわからないが・・・。 いずれにしても橘玲氏の著作を読むことで政治社会の問題の裏に、集団・個人の進化論的な理由がなにかしら影響していることがわかる。 先日読んだ『シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』のなかでも進化論を学ぶべきこととして挙げられていた。 現代社会を理解するうえで進化論は必須の知識・教養となってきている気がする。
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読書レビュー:『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』(橘玲)

本書の内容については『スピリチュアルズ』や『無理ゲー社会』のなかで記載されていた内容と重複する部分はあるが、PART5のこの世界の切り抜け方については上記2冊では触れられていなかったように思う。 昨今のFIREやミニマリストの隆盛が、この無理ゲー社会を生き抜く手段であるという点は合点してしまった。 経済格差の拡大に対応する形で、FIREを目指し、なるべく不必要なものを買わず、捨てるというミニマリストをベースとするのは、最近自分も囚われている思想だったので、そこに意識的になれたのは本書を読んで1番良かった点。 橘玲氏の著作については、Amazonレビューなどを見ると辛辣な意見も書いてあったりするが、自分としては毎回海外の事例を知ることができたり、現代社会の潮流とそれに対する人々の反応など、トレンドとその理由を知るきっかけを与えてくれるので、そこまで否定的な意見はない。 まあ確かにここまで著者が有名になると自己啓発書ではないが、読んでいて楽しい、気分が良いから著書を買うという側面も否定できない。 そういう意味では本書はわたしにとっては自己啓発書や娯楽小説のようなものなのかもしれない。
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読書レビュー:『無理ゲー社会』(橘玲)

経済的に成功している人々が「こんなに世の中が良くなっているのに、昔に戻りたいと言う人がいるのが信じられない」といった発言をしていることがある。 これは知能が高く、経済的に成功しており、それに伴って性愛的にも成功しているからこそできるコメントだと納得がいった。 「昔に戻りたい」という人は総じて現状うまくいっていないからそう言うのであって、昔に戻れば経済格差はそこまで広がっておらず、性愛についてもお見合いなどの男性側からみる「分配機能」で女性を「獲得」できたのだから。 本書のなかでは秋葉原通り魔事件のことが記載されている。先日も小田急無差別刺傷事件が起きたが、その犯人も「勝ち組の典型」などと発言していた。
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読書レビュー:『スピリチュアルズ』(橘玲)

相変わらず様々な実験結果や論文の情報をもとにして論を展開している。 特に脳科学系の実験が多く、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質やオキシトシンのようなホルモンなど、基本的な特徴や作用などは頭に入れておかないといけない。 それにしても、基本的にパーソナリティは変えられないので、持ったもので勝負していくしかないという残酷な現実が突きつけられる。生まれながらにしてだいたいの運命は決まっているというのも悲しいような。
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