
読書レビュー:『漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022』(池上彰/佐藤優)
3部作となっていた本書のシリーズもこれで最終巻。
今回に関していえば段々と現代になってきて知っている人の話も増えてきたこともあり、幾分か読みやすく感じた。
特に終章は現在から未来に向けての左翼の課題などを扱っていることもあり、前提知識がそこまで要求されないので、読む側の負担も少し軽く感じた。
左翼関連の歴史を追うには主要組織の名称と特徴を紐づけて頭に叩き込んでおくことが必要不可欠に思う。
それぞれの組織名称が似通っていたり、そもそも名前がメチャメチャ長かったりと本の字面を追うだけで覚えるのは至難の業だ。
その意味でいうと、やはり同時代を経験していて、組織名称を知っていたり、その特徴を掴んでいる年長者の方のほうが読みやすいのは間違いない。
自分としては左翼全般の知識をざっくりと把握することはできたが、個々の事例や組織の関係性をそらで言うことはできないレベルといったところ。
もう一度3冊を知識を整理しながら読んでいけば、もう少し理解度が深まるように思う。
こういう本を読むと、まだまだ勉強・知識が圧倒的に不足していると愕然とするが、少しずつキャッチアップしていくしかない。