読書レビュー:『人生のサバイバル力』(佐藤優)

読書

読みたいと思ったきっかけ

佐藤優氏の名前で検索したところ新刊として出ていたので購入した。

元々単行本として出ていたときの黄色い表紙はよく覚えている。

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人生のサバイバル力 (講談社文庫) [ 佐藤 優 ]
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内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

はじめに    
第1部 何のために勉強するのか
第2部 歴史から何を学ぶか
第3部 君たちはどう考えるか
第4部 これからの時代を、どう生きるか

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

第1部(何のために勉強するのか)

・そういうとき、人生を一回リセットするのにいちばんいいのは、「場所を変える」ことです。それも中途半端に変えるんじゃなくて、ドカンと大きく変える。そういうことって、ものすごく重要なんだ。

・アクティブな力を出すには、必ずパッシブな力のほうが先行する。だから、すべての勉強の基本は「正確に読む」こと。論理的に筋道を通して読むという訓練が必要になるんです。

・いろんな見解があることをお互いに認める「寛容の精神」が重要だというのが、実は保守思想・右翼思想の考え方の基本です。

第2部(歴史から何を学ぶか)

・うちの父親と母親はすごく教育熱心で、高等教育はきちんと受けておくべきだという考えが強かった。なぜなら戦争中の経験から、国もマスコミもいざとなったときに本当のことを言わない。ギリギリのところで助けてくれるのは自分の持っている知識だ、だから特に高等教育が重要だと考えたんです。

第3部(君たちはどう考えるか)

・この「パラダイム」という言葉が非常に重要です。パラダイムというのは、本来は動詞の変化形一覧表のことなんだけど、これをクーンは科学の歴史を説明するための概念として使いました。

・ここで言うように「損得にかかわること」になると、人間は非常にアンテナが働くわけだ。ドイツの社会学者で、ユルゲン・ハーバーマスという人が言っているのは、「認識を導く利害関心」、つまり手紙を出したいときにはポストが気になる。そういうふうに物事には、自分の利益と関係することが必ず何かあるのだと。純粋客観的な立場というものはない。自分で意識していないところにも必ず利害関心が隠れている。人は自分に利害関心があるものだけを情報として引っ張ってくる。

第4部(これからの時代を、どう生きるか)

・重要なのは、対話です。心の中で考えていることを察してくれというのは無理で、人間は言葉を持っているんだから、言葉にする努力をお互いにするということ。

コメント

元々が久米島高校への特別授業の内容を書籍化したものであることから読みやすく、かつページ数もかなり少ないのであっという間に読み終えることができた。

大体の内容は佐藤優氏の他の著作でも言及されている内容となっている印象ではあるが、沖縄の歴史、特に久米島に係る歴史について触れられているのは本書だけかもしれない。

また離島という条件下において、島外から生徒を募集したり、町営の塾できめ細かな学習指導を実施するなど、数々の施策を実施している久米島の取り組みについても恥ずかしながら本書で初めて知った。

確かに学習環境がある程度担保されるのであれば、離島で高校生活を送るのは国内でありながら外から日本を眺めることにも繋がるし、地方や離島の環境を肌身で感じる機会にもなるので学習する場としては好ましいのかもしれない。

自分の子どもが中学生や高校生になるときに、離島留学するという選択肢も候補に入れて検討していくのもありか。最終的には子ども自身の希望にもよるが、親がどれだけの選択肢を知っていて「こういう道もあるよ」と提示してあげることは割と重要であると感じる。

親が何も知らないとそれだけ子どもの選択肢も狭まってしまうという事実は自分も身をもって体験している分、なるべく自分の子どもにはそういったことがないように接していきたいところ。

いま中学生や高校生である方は本書の内容がダイレクトに伝わるし、使えるので有益であることに違いはないが、子どもを持つ親御さんにも離島留学という教育機会があることを知ることができる点で有益であると思う。

一言学び

「寛容の精神」が重要だというのが、実は保守思想・右翼思想の考え方の基本です。

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