読みたいと思ったきっかけ
北野唯我氏の著作が出たら購入するようにしている。
今回も例に漏れず著者買い。
内容
目次
目次は以下のとおりとなっている。
はじめに | なぜ新しい「採用手法」が必要なのか | |
第1部:理論編 | ||
第1章 | : | 採用の「ゴールと全体像」 |
第2章 | : | どの会社にも共通する「採用の法則」 |
第3章 | : | 自社の「採用課題」を見つける |
第2部:実践編 | ||
第4章 | : | 「企業イメージ」の問題解決 企業イメージがない、弱い、悪い |
第5章 | : | 「採用現場」の問題解決 目先の仕事に追われている |
第6章 | : | 「新卒・中途採用」の問題解決 うちの会社にはいい人が来ない |
第7章 | : | 仲間集めはサイエンスできる ケーススタディと採用の9か条 |
おわりに |
内容
わたしの気になった箇所について記載する。
はじめに(なぜ新しい「採用手法」が必要なのか)
※特になし
第1章(採用の「ゴールと全体像」)
■私は仕事柄、採用に関して様々な業界の経営者やトップの方と話す機会がある。その際に「採用で一番重視すべきことは何か」と聞かれたら「企業イメージ」だと断言している。一度企業イメージが構築されると、それは採用において圧倒的なメリットとなる。採用の成果は、短期的には「オペレーション能力」で決まるが、長期的には「企業イメージが10割」と言い切ってもいい。勝ち続ける仕組みづくり=企業イメージの管理だからだ。
■事業において、仕入れ力は、キモ中のキモであるのは言うまでもない。仕入れて、加工して、販売する。この事業のサイクルはどの産業でも同じだが、仕入れが一番の基本になる。仕入れが強いと事業は強い。組織も同じである。
■人や組織は、ロマンとソロバンで動く。ロマン=企業イメージ、ソロバン=給与や待遇だと考えると、人、そして組織という車は高待遇や好条件、損得だけでも前に進むだろう。むしろ、どれだけロマンが強くても、ロマン「だけ」で数十年も引っ張っていくことは厳しい。では、企業が危機に陥ったときはどうか?売上や利益が停滞したり、社内でトラブルがあったり……経営がうまくいっていないときこそ、ミッションやビジョンといったロマンが重要になる。
第2章(どの会社にも共通する「採用の法則」)
※特になし
第3章(自社の「採用課題」を見つける)
■経営陣から見た採用課題と、現場から見た採用課題。このギャップは、実は非常に重要な論点である。採用に課題を持つ組織では、この整理がまずされていない。結果、経営陣が人事チームに求めることと、現場が進めたいことに溝ができて、採用に失敗する確率が高まる。
第4章(「企業イメージ」の問題解決 企業イメージがない、弱い、悪い)
■事業変革等によって、企業イメージを変えないといけないタイミング。IT企業や大企業で、新規事業や事業再編、業績不振によって、新たに採用したい層がいるにもかかわらず、リーチできていないで困っているケースがこれに当たる。特に既に企業イメージ構築期を終えて安定運用しているため、、「人気企業だから受けている層(=ミーハー層)」が母集団の中心になりやすい。この時期に手を打たなければ、安定・安心志向の人だけが集まる会社になり、変革がとどこおるリスクがある。
■ところが、社内にいると自社の状況が当たり前すぎて、この言語化ができないこともある。そこでおすすめしたいのが、「自社のことを、もしひと言で覚えてもらうとしたら?」を明確にすることだ。もちろん、実際には伝えたいことはひと言以上あるため、複数個あってもいいが、このプロセスで魅力を端的に言語化できる。
■この際、最も重要なのが、事業理解=「何をやっているのか。何で儲けているのか。何が他社と違う自社の強みなのか」である。この事業理解のコンテンツはキモ中のキモであるし、「事業理解をやっていませんでした」という会社はほとんどない。ほとんどの会社では「やっているつもりだが十分ではない」ことが多いのだ。
■必要なのは、候補者の意思決定に影響を与えることである。具体的には、次の3つの要素を含める必要がある。①自社にはどんなステークホルダーがいて、何を仕入れて、どこに付加価値を乗せて利益を出しているのか?(=利益の源泉)、②自社は他の企業と比べてどんな違いがあるのか?(=差別化要因)、③今後、この業界はどんな未来が待っているのか?(=未来図)
■近年、重要性が上がってきたのは「職種理解コンテンツ」である。これは、具体的にどんな職種があって、どんな研修があって、どんな業務をするのかを、職種や事業部単位で細かく見せるコンテンツのことを指す。なぜ重要性が上がってきたか。それは、若い人がこのコンテンツを求めているからだ。
■そもそも、前述した社員理解や社風理解コンテンツは、実は差別化が難しい要素でもある。というのも、どこの業界、どの企業の中でも、働きやすいチームもあれば、働きづらいチームもある。たまたま上司がハラスメント気質かもしれないし、たまたま上司が尊敬できる上司かもしれない。運の要素が強い。一方で、職種理解コンテンツは、事前に正しい情報を出すことができる。トヨタ自動車のセールスパーソンはおそらく明日も車を売っているだろうし、1年後も車を売っているだろう。これが求職者にとっての魅力ポイントになる。多くの人は「確からしさ」を求めているからだ。
■私が経営者や採用責任者の方に企業イメージについて話す際に言っていることがある。それが「企業イメージを、中途採用施策『だけ』で変えるのはほぼ不可能に近い」ということだ。正確に言うと、企業イメージは新卒採用時点のイメージを超えることはほとんどない。
第5章(「採用現場」の問題解決 目先の仕事に追われている)
■加えて、現代の若年層は「1秒を競う」世界で育っており、目立たないものは話題にすら上らない。目立つことが仲間集めにおいて絶対に欠かせない。
第6章(「新卒・中途採用」の問題解決 うちの会社にはいい人が来ない)
■マーケティングの世界では、CEP(Category Entry Point)という言葉がある。CEPとは、商品と顧客との接点のこと。商品やサービスを購入しようと思ったときにブランドを想起するきっかけとなる。採用の場合も、「あの会社、こんなことがあったな」と求職者に思い出してもらうポイントをつくるのだ。
■コミュニティを可視化すべき理由は、ほぼ必然的に最適なスケジュールが決まるからである。人の生活スケジュールは、一番時間を使っているコミュニティのルールで決まるのだ。
第7章(仲間集めはサイエンスできる ケーススタディと採用の9か条)
※特になし
おわりに
※特になし
コメント
採用に係る問題・課題の洗い出しとそれへの解決策が提示されている。
本書の「おわりに」にあるとおり、この本を書いたのは「採用の教科書となるような1冊を作りたかったから」であり、それは「『なぜこんなにも採用って、再現性が低いのだろう?』という課題感」から出てきているものという。
わたし自身は人事業務を担当したことがないので、人事業務の問題や課題を肌感覚で理解しているわけではないが、採用という業務プロセスをここまで細分化して整理したものは見たことがない気がする。
採用性向の秘伝のタレとして紹介される「採用9か条」もコンパクトかつ頭に残りやすいので示唆に富む。
あくまで採用に関わる事項が扱われている本書であるが、人事担当以外の人でも参考になる部分は多々あると思う。
わたしとしては「人や組織は、ロマンとソロバンで動く」という部分が印象に残った。
基本的にはソロバンが重要になってくるとは思うが、ソロバンという軸だけだと天井はなく、それが数値ゆえに永久に比較競争からは避けられない。
そういうときこそロマンが必要になる。その会社や事業のミッションやビジョン、企業イメージによってどれだけその仕事に納得感が得られるか。
ソロバンだけでなくロマンとの両輪が必要であると再認識した。
一言学び
人や組織は、ロマンとソロバンで動く。
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