読書レビュー:『これから市場価値が上がる人』(北野唯我)

読書

読みたいと思ったきっかけ

北野唯我氏の著作が出たら購入するようにしている。

今回も例に漏れず著者買い。

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これから市場価値が上がる人 (ポプラ新書 238) [ 北野 唯我 ]
価格:979円(税込、送料無料) (2023/3/13時点)


内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

はじめに    
第1章 なぜあなたは市場で評価されないのか
第2章 「悩み」を「強み」に変える思考法
第3章 市場価値を最大化できる人は「これ」をやっている
第4章 チームの価値を上げるためにあなたができること
第5章 「価値あるもの」の前提を見直そう
おわりに    

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

第1章(なぜあなたは市場で評価されないのか)

・しかし、この「ビジネス=価値の交換である」ということを忘れてしまうと人は必ずといっていいほど「他責になる」とも思います。それはつまり、「自分が与えたもの以上のものを、誰かからもらおうとする」という方向でしか物事を考えなくなったり、与えたものに対してすぐに(その場で)見返りを求めてしまったりするわけです。

・基本的に、仕事は誰かに必要とされ成立していくので、特定の会社や人、組織に縛られることなく、どんな状況、環境でも「常に必要とされる自分であること」がもっとも大事だと思います。

・私が好きなパブロ・ピカソも次のような格言を遺しています。「優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む」あえて定義すると、「模倣」とは「表面的な部分をそのまま使うこと」。一方、「盗み」とは「技術そのものを真似して取り入れること」だと思います。

・私は普段から、「監督者がいない状態で自分がどういった行動をとるのか(とれるのか)がとても重要だ」ということを意識しています。

第2章(「悩み」を「強み」に変える思考法)

・新しいことにチャレンジするタイミングや、何をやればいいかわからない状況なら、素直に理論を手に取ってみてください。もちろん、実践することも忘れずに。

・これはある意味、鉄則中の鉄則とも言えることで、業績をV字回復させるために最初にやるべきことの1つが「徹底したコストの削減」だと言われています。…経営者にとっての1円と、社員にとっての1円は価値がまったく違うと考えてください。なぜなら、株価に与える影響まで考慮すると、経営者にとっての1円は数十倍になり得るからです。

・ビジネスで成果を出したいときは必ず、関連するテーマの本質を理解することが必要だと思いますが、そんなときこそ「登場人物で分けて本を読む」という読書法を、ぜひ実践してみてください。

・それを説明する前提として、「プロから1 on 1で教えてもらう価値を最大限に活用する」ために私が意識したポイントをまとめてみます。①教えてもらう先生を見極める、②教科書には載っていない「超」具体的な質問をする、③30%でもいいので実際にやってみてから聞く

第3章(市場価値を最大化できる人は「これ」をやっている)

・そうした危機を乗り越えるのに役立ったのが、次の3つの方法です。①悩むのではなく考える、②まずは圧倒的にギブする、③リーダーが口ではなく手を動かす、この3つはたとえピンチでなくても、ビジネスで成果を出したいときに常に意識しておくべきポイントだとも思いますので参考にしてみてください。

・まず、当然内容をきちんとわかっていないと人に話せないので、要点や結論をより簡潔に深く理解しようと努めます。「教えるつもり」でない情報収集だと、自分がどれだけ適当にインプットしているかが如実にわかります。

・ネーミングの通り単純で、その時間、その日、その週、その期間など「絶対にやることを1つだけに絞る」という方法です。自分で自分に「本気で1個だけに絞るとしたら?」と問い、決めてしまいましょう。

・そこで、私がおすすめしたいのは、「金曜日の夕方にほかのスケジュールをブロックして、来週の仕事をイメージする時間を確保する」方法。…そして、その1時間で翌1週間の動き方をイメージし、タスクに落とし込むということをやっていました。

・対話する人のレベルによって、成長スピードは確実に変わります。つまり、普段からより高いレベルの人と対話ができるように意識し続ければ、おそらく常に成長し続けられるということです。

・今までなら「絶対に〇〇してほしい」と言いづらかった場面でも、「自分は〇〇というニーズを持っていて、それに対して△△だと思っている」と最初に伝えることで、よりスムーズにコミュニケーションがとれるようになっています。

・「信頼」=絶対的で、その人の人格への評価、「信用」=相対的で、バリューや成果への評価

・そして、どうすればそんな「選択肢」を持てるかと言えば、自分が嫌われることに覚悟を持っているからだと思います。断ったことで嫌われても仕方ないと思っているからスパッと断れるのです。

・誰もが持っている「3つの資源」に着目することで、「自分は何ができるか?」という観点から事業、サービス、プロジェクトなどのやることを決定します。「3つの資源」とは次の通りです。①自分が誰であるのか?(特質、能力、属性)、②何を知っているのか?(教育、専門性、経験)、③誰を知っているのか?(社会的ネットワーク)

・要は、起業や転職を考えていなくても、ビジネスパーソンである以上は「ソーシャルキャピタルに投資する」というイメージを持つのがおすすめです。とくに、年齢を重ねるほど「ソーシャルキャピタル」は固定化され、新たに獲得するのは難しくなるものです。

第4章(チームの価値を上げるためにあなたができること)

・現実の働く人の「居場所」は、仕事内容はもちろん、オフの雑談、何気ないコミュニケーションからも生まれるものだと思っています。では、そんなときに何が重要かと言えば、決して「悪口を言わないようにする」ことです。「悪口」と「悪口ではない」の違いは、その人の目の前で「その言葉」を言えるかどうか。目の前で言えないことは、すべて「悪口」だと思ってください。

・私個人としては、人事制度の中でも「年功序列」ほど組織を愚かにするものはないと思っています。…なぜなら、市場(マーケット)のロジックを完全に無視しているからです。冷静に考えてみてもわかると思いますが、「年功序列」は視点が自社にしか向いていない制度だと言えます。

・改めてまとめると、人間関係を長期的に成功させる極意の1つは「周りの人を出世させること」だと断言できます。出世した本人が喜ぶのはもちろん、自分にもメリットがあるのでwin-winの関係が成り立つわけです。

・すべてのことはやはり「そして〇〇になる」だとつくづく思います。…逆説的に言えば、人が成長するためのカギこそが「そして〇〇になる」ことだと思うのです。

・会社や周りから「新しいポジション」を提案されたときに、「自分なんかで務まるかな?」と不安に思っても飛び込んでみてください。最初から完璧な人なんていないので、問題ありません。『そして〇〇になる』という作品の主人公になったつもりで謙虚に学び続ければ、きっと大丈夫です。

第5章(「価値あるもの」の前提を見直そう)

・ギャップが生まれる理由は、「失敗を失敗のままで終わらせない意欲が異様に高いから」です。「成功」も「失敗」も定義が難しいところはありますが、私自身は前提として「人生は失敗の連続」という人生観を持っていて、「たくさん失敗したほうが面白い」とも思っています。なぜなら、「失敗する」=「挑戦し続けている」ということであり、それこそ生きている証拠だと考えているからです。

・「記憶」は「思考」を支配しているところが多分にあります。だとすると、「いちばんに思い出す」言葉は「思考」に影響を与えやすいはずです。つまり、「思い出したい言葉」をルーティーンで「定期的に想起」するようにしているのです。

・この「両忘」という禅語に限ったことではありませんが、言葉を学ぶのは成長するための有力な手段の1つです。人間は言語を獲得することによって、いろいろと再現が可能になり、その検索も可能になったからです。だからこそ、言葉を知ることによって、自分や周囲の状態を知ったり検証したりできるようになります。

コメント

北野唯我氏の著作もどれも面白い。

比較的年齢の近い著者が同時代に生きていて、その人がどうやって世界を見ているのか、物事を考えているのかを知ることができる。

そこに一番面白さを感じているのだと思う。

年齢ではなく、その人自身が何をどう伝えているかに注目するべきであるというのは重々承知しているが、それでも同世代の人がどういう視点を持っているかというのは気になってしまう。

自分としては特に「失敗を失敗のままで終わらせない意欲が異様に高いから」という北野唯我氏が自身を分析しているのが興味深かった。

この手の言説は確かに昔から聞いたことがある。失敗しても成功するまで続ければいい。

ただそれは言うは易く行うは難しである。そこに対する「意欲が異様に高い」というのを読んで、そういった価値観、生き方を持っていること自体が強みなのだと感じる。

行動することができないのは失敗が怖いから。行動の抑制要因である失敗を怖れないとすれば、そりゃ行動もできる。

現状維持バイアスが激しく掛かっている自分も当然ながら失敗を怖れ、行動ができない。

ただ、遅ればせながら、ようやくこの歳になって行動することの重要性というか、行動しないと何も変わらないし、行動しないと経験値も上がらない、そして経験値不足だと人として深みが出ない、ということに感づき始めた。(今更感がすごいけど・・・)

といっても即行動に移れるほど、自分は勇気を持ち合わせていない。ただ、少しずつ新しい行動を取っていきたいとは思っている。

まずは知らない場所に行ってみる。知らないお店に入ってみる。知らない場所で買い物してみる。そういうハードルの低いところから始めていきたい。

そこで失敗してもそんなにダメージはないが、何かしら新しい経験から得るものはあるはず。

“off the beaten track”は確か安河内哲也氏の著作で見た用語だが、まさしくいつもと違う行動を取ってみるところからスタートしたい。

一言学び

失敗を失敗のままで終わらせない意欲が異様に高いから。

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