「若いうちに基礎力を固めることが重要だ」「まずは基礎が固めだ」「基礎がないと応用ができない」
こういったフレーズを、それこそ小さい頃に習っていたお稽古事やスポーツ、部活、また受験勉強、資格試験、そして社会人になってからと、ずっと耳にしている。
むしろこういったフレーズを聞かないことの方が珍しい。ほとんどないといって良いように思う。
遊びでさえ基礎力とはいわないまでも、基本的・基礎的なことは暗黙的に求められているように感じるので、どの分野でも基礎力は要求されているといえそうだ。
とはいえ、スポーツであれ受験勉強であれ、ある程度「基礎力」の定義付けはできている。
水泳のクロールでいえばまずは蹴伸び、バタ足ができ、片手ずつ掻けるようになり、と順を追ってどれも出来るようにならないとクロールで泳げるようにはならないので、どの工程も基礎力といえるだろう。
また英語でいえば、単語と文法をある程度(この程度は人によって意見が分かれるだろうが、使うという意味では中学英語)をマスターしていないと難しいので、中学英語の習得が基礎力といえる。
その分野ごとに精通者の人が共通で重要と掲げることが基礎力となることが多いので、分野ごとの「基礎力」はその分野の蓄積が増えるにつれて固まっていく。
翻って社会人になってからの基礎力とは何か。
これも分解すればいいのだろうか。
営業、経理、SE、開発、広報、会計、マーケティング、品質管理、施工管理等々。
こういった各職種に分類すれば、その分野ごとに基礎力は固まりそうな気はする。
それこそ大学の学問として研究されていることからも、基礎的な内容は定義されていそうだ。
ただあいにく自分の会社では今流行りのジョブ型雇用をしてはいないので、そういった職種ごとの基礎力アプローチだとジョブローテーションにより次の職種では活きなくなってしまう可能性を孕んでいる。
そうすると職種ごとに共通して必要とされるスキルを「基礎力」として定義すればいいのだが、それは何だろうか。
英語、中国語、リーダーシップ、会計・財務、組織、経営戦略、ライティングスキル、マーケティング等々。
これも挙げだすとキリがない。
結局この中から自分の特性と自分の所属する環境、そして社会的な長期的トレンドを意識しながら2〜3個を選んで学んでいく他ないのでは。
全てを少しずつかじって、ほとんど身につかないよりも取捨選択したうえで、2〜3の分野に詳しい有益だろう。
そもそも自分には2〜3分野を身につけるだけでも十分に難しいだろう。
この自分で学ぶことを取捨選択していくこと自体にスキルが求められている感もあるが、とにかくそうしていく他ない。
その選んだ2〜3分野での基礎力こそが、わたしにとっての社会人の「基礎力」と定義付けが出来そな気がする。
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