読みたいと思ったきっかけ
久しぶりにTOEIC以外の英語に触れてみたくなったのがきっかけ。
今後TOEFLやIELTSを受験する際に、こういった論争になりそうなトピックを英語で知っておくことも役立つかな、と思ったことも購入に至った理由でもある。
内容
本書は、各トピックに対して架空の登場人物が議論し、それが点数化されて勝敗がつけられていき、最終的に勝ち上がった人が優勝、という勝ち上がり方式で話が展開されていく。
この本のなかで扱われるトピックは以下のとおり。
First Round Game 1 | ||
トピック1 | : | 同性婚法制化の是非を議論! |
トピック2 | : | クローン技術の是非を議論! |
トピック3 | : | 代替医療の是非を議論! |
トピック4 | : | 安楽死の是非を議論! |
First Round Game 2 | ||
トピック5 | : | 動物実験の是非を議論! |
トピック6 | : | AIの是非を議論! |
トピック7 | : | 人種差別の撤廃の可能性を議論! |
トピック8 | : | 移民規制の是非を議論! |
First Round Game 3 | ||
トピック9 | : | SNSの是非を議論! |
トピック10 | : | 宇宙開発の是非を議論! |
トピック11 | : | エコツーリズムの是非を議論! |
トピック12 | : | グローバル化の是非を議論! |
First Round Game 4 | ||
トピック13 | : | 学校制服の是非を議論! |
トピック14 | : | 少年犯罪のメディア公表の是非を議論! |
トピック15 | : | 定年退職制の是非を議論! |
トピック16 | : | 死刑制度の是非を議論! |
Semi Final Game 1 | ||
トピック17 | : | 大きな政府の是非を議論! |
トピック18 | : | 消費税増税の是非を議論! |
Semi Final Game 2 | ||
トピック19 | : | 資本主義の是非を議論! |
トピック20 | : | 原子力発電の是非を議論! |
Final | ||
トピック21 | : | 核抑止の是非を議論! |
どれも大学受験や英検などのライティングやリーディングの話題になりそうなものばかりである。
各トピックの進め方は以下のとおり。
Step1 | : | 背景知識を日本語でInput! |
Step2 | : | 背景知識を英語でInputし、さらに問題意識をUP! |
Step3 | : | ダイアローグ |
Step4 | : | アーギュメントをJudge! |
Step5 | : | トピックのまとめ |
まずはStep1にて日本語でそのトピックの概略が説明されるので、まったく知識のない分野でもそれなりに理解することができる下準備は可能。
またStep2において英文で概略を知ることで、そのトピックを英語でどういった表現をするか、どんな単語が使われるのかを知ることができる。
このStep1とStep2を通じて概ねトピックを英語で理解する基礎知識が得られる構造になっている。
そしてStep3において各トピックに関する架空の登場人物たちの議論を追いながら、そのトピックの具体的な事例などを学んでいく。
Step4に関してはどういったコメントをしたからプラス何点、マイナス何点、という議論の点数化の根拠が述べられる。
議論の組み立てやどういった点が受け答えになっていないか、正確な議論のための作法や態度、コツを学習することができる。
最後にStep5において、どちらの人物が勝利したか、また賛成・反対の意見をまとめた英語のセンテンスが「キーアイデア」として参照されて、一つのトピックが終わる。
コメント
こういった英語で最新のトピックを学ぶ系の本としては『知識と教養の英会話』があるが、それよりも英文がわかりやすく、取っつきやすくなっている。
一つ一つのトピックが簡潔にまとまっており、また日本語での説明もあるため、大学受験や英検などの背景知識を入れ込む参考書として役立つ気がする。
特に論争になりがちなトピックのメリット・デメリットがまとまって書いてくれているので、自由英作文のときの表現集として重宝するはず。
上記のStep5の最後にまとめられている「キーアイデア」が各トピックのメリット・デメリットを英語一文で表現されており、ここを暗記するだけでも英作文のストックとしては有用そう。
各トピックがそれぞれ簡単に答えが出ないものが故に、読みながらそれぞれのメリット・デメリットを整理できるのも嬉しいところ。
議論が点数化されるStep4については、わたしは正直あまりピンとこない部分もあったので、読み飛ばしながら進めてしまったが、どういった形で話し、回答し、質問すれば議論で勝てるのかの術もちゃんと読めば学ぶことができるだろう。
といってもやはりメインは各トピックがどんな状況で、どういったメリット・デメリットがあるかを英語で学べるところにこの本の真価があると思うので、そこに興味のある人には是非読むことを薦めたい。
各トピック10ページ強で簡潔に書かれており、少しずつ読むのにも適しているので、そこまでハードルも高くないはず。
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