「権力を握った人は最後幸せな人生だったと振り返るのだろうか」
先日『スタンフォードの権力のレッスン』を読んで、ふとそんなことを感じた。
権力があれば当然ながら自分の希望が叶う機会が多くなるし、自分の主義主張をガンガン通せるようになる。
また人の顔色を伺うことなく、自分の思ったとおりに行動すればいい。こう見ると、確かに権力を持ちたくなる。
ただ、死ぬまで権力を持ったままでいられればいいが、途中で権力の座から降りる・降ろされた場合、その後どのような思いで人生を過ごしていくのだろうか。
絶頂の権力を持った者が権力の座から落ちたときほど、その落差が大きい分、よりダメージを受けるように感じる。
わたしの会社でも完全なラインに乗ってどんどん出世していき、権力を手中に収めていた人がいた。
その人はほとんど自分の意のままに物事を決められるほど権力を持つようになり、まさしく我が世の春を過ごしていた。
しかしながら、その状態が永続することはなく、途中で潮目が変わり競争に敗れてしまう。
敗北を喫した後のその人は当然ながら権力の座から落ち、それに伴って周りに人が集まらなくなり、そのままひっそりと姿を消してしまった。
その人は今もどこかで生活をしているはずだが、一体どのように思っているのだろう。
当然ながら今もすごく充実した人生を送っている可能性もある。(お金もそれなりにあるだろうし)
ただ、そうやって権力から落ちた人はその敗れた状態に我慢できない気がする。
というのも敗れた状態が嫌だからこそ出世できたとも言えるわけで、そうであれば敗北が決定した状態に耐えるのが何よりも苦痛に感じてしまうのではないかと考えられるからだ。
一度味わった快楽はなかなか忘れがたいというが、権力もまさしくそれに属するはずだし、そうなるとその享受していた蜜から離れるのは苦痛以外の何ものでもないだろう。
そう考えると権力を持たない方がその落差を経験しないで済むので、幸せになのかもしれない。
ただ、そうなると世の中の大半の人が幸せということになるが・・・。
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