読みたいと思ったきっかけ
Amazonで本を探していたときにオススメに表示されたのがきっかけ。
最後の開拓地としてアフリカを挙げている意見をよく聞くので、それもあってアフリカの現状を知ることのできそうな本だと思い、購入した。
また大前研一氏が帯に推薦文を書いているのも目を引いた。
内容
目次
目次は以下のとおりとなっている。
第1章 | : | アフリカは想像以上に大きくて、若い |
第2章 | : | アフリカはどんどん豊かになっている |
第3章 | : | アフリカはかつて日本が経験した急成長期にある |
第4章 | : | アフリカは先端技術が日本より浸透している |
第5章 | : | アフリカは医療テック市場が世界で最も熱い |
第6章 | : | アフリカは巨大市場になりつつある |
第7章 | : | アフリカは日本企業がもったいない状況にある |
第8章 | : | アフリカは国内格差がまだまだ大きい |
第9章 | : | アフリカは驚くような巨大開発を行っている |
第10章 | : | アフリカは4つの進出パターンで勝負する |
未知語
・M-PESA:チャージした通話料が通過のように使えるモバイル・マネー。送金・現金引出し・決済・携帯代チャージ・ローンと預金の機能がある
内容
・日本をはるかに上回る人工の爆発(2050年には25億人)と若さ(現在中位年齢が19.7歳⇔日本は48.4歳)→国家運営を適切に行えば、この先、人口ボーナスとして大きなパワーを持つ可能性あり
・経済ピークと生産年齢人口はリンクする→働ける人が多ければ、国内の経済活動は活発になる。今後は中国→インド→アフリカの順番で経済ピークを迎える可能性が高い
・経済成長=①人口成長+②生産性向上
・アフリカ主要国の経済(GDPや一人当たりのGDPなどの比較で)は東南アジア諸国とほぼ同規模
・中国とアフリカの物価水準が似ている→中国は時刻のものをそのまま持ってきても同じ値段で十分に競争力がある(インフラ工事は圧倒的に中国企業が受注)
・一人当たりGDPが①1,000ドルを超えると、中古車やバイクが普及し、スーパー・ショッピングモールが開業し、②3,000ドルを超えると、大型ショッピングモールが開業し、テレビ・エアコンなどが売れ始め、③10,000ドルを超えると、ちょっと新しいものが欲しくなり、海外旅行にも行き始める
・日本人はどのタイミングで何が起きたのかを既に経験して知っているので、それを復習してアフリカビジネスに活かすべき
・アフリカで欧米のベンチャー企業が商用サービスを始めている(ドローンの医療関連の物流事業など)→既得権益や規制が少なく、データ収集のチャンスとなっている
・アフリカでもベンチャー企業が注目されている。一方で、資源開発、酒販売、自動車販売、コーヒー・紅茶、カカオ、両替のビジネスは既得権益者がいて、アフリカでも難しいビジネス領域となっている
・中国のアフリカ進出の目的は①資源の確保、②国際世論の形成、(③市場の確保)である
・一人当たりのGDPが3,000ドルを超えると大渋滞が起きる(都市のインフラ整備よりも車が増えるため)→既にナイジェリアのラゴス、ケニアのナイロビで起きている。アフリカへのインフラ投資を日本も意識したほうがいいのでは
・アフリカが世界から借りているお金は80兆円。そのうち21兆円が中国から
・アフリカへの進出パターンは4つ。①資源や一次産品などの獲得の場として、②将来の有望市場として、③生産拠点として、④新たなビジネスモデルの発掘と実証の場として→いま最も盛り上がっているのは④
・アフリカでビジネスを成功するには:アフリカの真のニーズに気が付くこと、それを商品化・サービス化すること。さらに当たり前のことを当たり前として実践すること
印象
冒頭にアフリカの各国の情報や、各種統計データなどが掲載されており、それも勉強になる。またアフリカの地図・国旗・首都・人口なども掲載されているので、本文中に出てきた国がどこにあるのか、首都はどこなのかといったこともすぐに調べられるようになっている。
「アフリカ・ファクトフルネス」として、各章の冒頭にクイズ形式でアフリカに関する問題が掲載されており、アフリカに関するデータをゲーム感覚で知ることができる。
アフリカのビジネス・生活の現状を具体的なエピソードとともに知ることができる。
アフリカ経済に強い影響力がある中国の動向についてもこの本を通じて学ぶことができる。
コメント
ポテンシャルが高いというなんとなくの印象だけでアフリカを捉えていたが、この本を読むことで具体的に数字を把握しながら、アフリカの経済や社会状況を学習することができた。
以前アフリカにおいて宗主国であったイギリスやフランスがアフリカにおいても一定の影響力を未だに持ち続けているという事実は、植民地時代の影響の大きさ、宗主国側のメリットの大きさを痛感する。
アフリカに関して学んですぐに活かせるところはあるだろうか。ぱっと思いつくのは株式投資などを通じてアフリカ経済に投資することだが、リスクもそれなりにありそう。
ただ、アフリカに興味を持つきっかけには十分になったので、これを機にアフリカに関するアンテナも張って、引き続き情報のアップデートに努めたい。
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