読書レビュー:『永田鉄山 昭和陸軍「運命の男」』(早坂隆)
実際のところどうだったか判断がつかないところもあるが、仮に本書のとおりだとすれば「皇道派の青年将校たちの眼からすると、永田は『腐敗した軍中央の象徴』のように映った」というのは、本人がそう思っていないととしても、周囲にはそう見えてしまうという可能性は十分にあるといえる。
特に偉くなればなるほど、なかなか本人と直接話す機会もないだろうし、そういう状況下で周辺情報から誤って解釈してしまうのは避けがたいことなのかもしれない。
下の者の身としては、周辺情報だけですぐに判断しないことが重要だと感じる。これは何においても当てはまることだが、一方の情報だけではなく、もう片方(反対意見や反論)の情報にも接して検証することが肝要ということだろう。
これをきっかけにして、陸軍に関する色々な書籍にもう少し目を通していきたいところ。