読書レビュー:『イスラエル戦争の嘘 第三次世界大戦を回避せよ』(手嶋龍一/佐藤優)
ユダヤ人の苦難の歴史を考えると、イスラエルが「ユダヤ人をユダヤ人であるという属性のみを理由に地上から抹殺するという思想を持つ」ハマスを中立化(殺害だけでなく、イスラエルに帰順する、もしくは国外に逃亡することでも構わない)するという考えにも仕方なさがあるように思える。
イスラエル国民に共有されているという「全世界に同情されながら死に絶えるよりも、全世界を敵に回してでも戦い、生き残る」という認識があるというが、それを実践しているといえる。
2024年12月中旬においては「パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で、イスラム組織ハマスが初めてイスラエル軍の一時的なガザ駐留に同意」という報道も出ている模様。
シリアでのアサド政権崩壊のニュースにより、より混沌としてきた中東地域において、そのキープレイヤーとなるイスラエルのロジックを知るためにも本書は有益であるように思う。