佐藤優

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読書レビュー:『なぜ人に会うのはつらいのか』(斎藤環/佐藤優)

対談形式であるので文体も平易であり、すぐに読むことができるのもこの本の利点。 読みやすさがあるとはいえ、それが必ずしも簡単な得るものの少ない本というわけではない。 コロナウイルス感染拡大によって浮き彫りになった「人と会う」ということの意味やその特性を言語化して知るには適した1冊といえる。
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読書レビュー:『激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972』(池上彰/佐藤優)

革マル派、中核派など単語単語を聞くことはあっても、それがどういう系譜に連なっていて、どういった思想背景を持っているかまでは調べていなかったため、この本を通じて概略を知ることができた。 各派がどういう理論に基づき、どういった思想背景を持っているかを都度都度確認をしないと読んでいてわからない部分が出てくるので、その点は少し大変さは伴うが。 東大安田講堂事件やあさま山荘事件など、ニュースで聞いていた事件の背景をドキュメンタリーのような形で把握することができたのが、この本で1番良かった点。 各事件の影響が次の事件につながったりと、ストーリーとして読めるので、そこは物語としての面白さがあった。(本書の特に後半部分) 本編の最後に「第三巻」に関する言及があるので、続編は決定済みの模様。次回も楽しみにしたい。
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読書レビュー:『無敵の読解力』(池上彰/佐藤優)

政治家自体を選ぶのは国民という制度上の建前を考えれば、結局そういった政治家を選択している国民自体が教養を重視していないという話に帰結するわけであるので、教養ある政治家が誕生するには国民側が教養を深める必要があるという結論になりそう。今回の書籍も当然そこを念頭に置いているのだろうが。 こんなことを言っているわたし自身も最近はまったく学術書を読んでいないので、これを契機にまた硬派なアカデミック本を読んでいかねばならない。 学術本を読むのは結構骨が折れるので、電車の中でさっと読むには適さないことを考えると、また時間の捻出が難しくなってはくるが・・・。
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読書レビュー:『読解力の強化書』(佐藤優)

メインとしては三浦綾子の『塩狩峠』の読解を通して、行間を読む力、すなわち真の読解力を身につけるためのヒントが述べられている。 行間を読む力。 テクストではなくコンテクストを重視する姿勢ともいえようか。 このコンテクストを理解する力の重要性については、確かにあらゆる場面で痛感することができる。 仕事でも友人関係、家族関係でも、人間同士のコンタクトがある場所ではどこでもコンテクストが存在する。そしてそこに流れる文脈を無視して言動することで何かしらトラブルが生じる。 当たり前のことだが、ついつい忘れがちである。 この本のなかで「文学作品を単なる娯楽や読み物だとして、低く見る傾向があります。それよりも学術書や専門書の方が価値が高く、レベルが高いように考えがちです」とある。 これはまさしく自分の高校・大学時代の考えだった。小説を読むという行為を単なる娯楽としてしか認識していなかった。 そこには「小説は役に立たない」という思い込みがあったように思う。 当時は「読書=何かを学習する」という定式化のもとに本を読んでいたので、小説はその範疇にはいっていなかった。 しかし、今となってはこの小説を軽視してきた姿勢を猛省している。 学生時代という社会人と比べて圧倒的に時間のあるときにこそ小説を読んでおくべきだった・・・。 後悔先に立たずで、いまさら嘆いても仕方ないのだが。 今からでも遅くないと信じて、これからは小説も少しずつ読んでいきたい。特にこの本でも薦められている夏目漱石については、わたしは前期三部作と『こころ』しか読んだことないし、今となっては内容もほとんど忘れている。それらの読み直しから始めて、夏目漱石のその他の作品も読んでいきたいところ。 行間を読む力を鍛えるという目的で小説を読む姿勢が良いのか悪いのかわからないが、とりあえず実行してみたい。
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読書レビュー:『危ない読書』(佐藤優)

恥ずかしながら紹介されている全ての書籍を読んだことがなかったので、計20冊の大まかな内容を知ることができただけでも、この本を買った価値はある。 選ばれている書籍も政治的なものから、ビジネス本、小説、ノンフィクションとジャンルも多岐にわたっている。 もっとも佐藤優氏の著作を読んでいる読者であれば、『わが闘争』『国体の本義』『戦争論』などは氏の著作でよく引用されてたりするので、完全に初見ではないはず。 紹介されていた本のなかでいうと、自分としては高橋和巳の『邪宗門』はずっと読みたいとは思っていたのだが、結局読めずじまいで来てしまった。。。 今回なんとなくのあらすじがわかったので、トライしてみたいところ。
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