読書レビュー:『観察力の鍛え方』(佐渡島庸平)
もともと話しベースで書かれたものであるためか、文章が読みやすく感じた。そして何よりも内容が抜群に面白かったので一気に読み終えてしまった。
途中で『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』などの漫画も挟まれていて、それも内容の理解の助けになった。
観察力を鍛えるために必要なことが書かれているものの、中身としては人間の認知バイアス、正解主義からの離脱などいかに固定観念から抜け出すかのヒントが書かれているように感じる。
一方で型の重要性も説かれていて、型を身につけそれを持って分野の遠い型と融合させるときに創造的なものが生まれるという。
一見すると型は創造性の対極にあるように思えるが、考えてみれば昔の伝統芸能などを見れば合点がいく。
先代や師匠の型を完璧に身につけ、そこから自分のオリジナリティを創出する。そのプロセスに型は必要不可欠。
自分も段々と年を重ねてきているので、どんどん考えが硬直化する可能性は高い。そうして柔軟性を失うと一つの正解に固執する正解主義に陥りがちだ。
正解主義に陥り、正解のない状態にストレスを感じ、「正解」を求めて安易な言説に飛びつきたくなってしまうかもしれない。
そういった事態を避ける意味でも、本能に抗おうと観察力を鍛え、あいまいを受け入れる姿勢を持ちながらも、型はしっかりと身につける、という態度で日々を過ごす必要がありそう。
でもこれってかなり難しい考えであり、思考であり、行為態度だよね。。。