リーディングスキルテスト(RST)とは
リーディングスキルテスト(RST)をご存知だろうか。
一時期大きく話題になった『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者である新井紀子氏が主導する国立情報学研究所を中心とする研究チームが開発した、基礎的読解力を測定するテストのことです。
きちんと読むことが出来ているか、ということを測るテストであり、逆に言えばどういった要因で読めていないかを測定するテストともいえる。
「一般社団法人 教育のための科学研究所」という機関がRST活動を展開している。
基本的にはRST小学校・中学校・高校といった学校教育向けの団体受験がメインなのだが、その機関が代々木ゼミナールと組んで個人向けにもテストを提供している。
RSTの構成
では、一体どういった力が図れるかというと具体的には以下の6項目となる。(【具体例同定】については辞書的な定義の場合と、理数的な定義の場合で分けられるので実際は7項目となる。)
【係り受け解析】
→文の基本構造を把握する力
【照応解決】
→代名詞などが指す内容を認識する力
【同義文判定】
→2つの文の意味が同一化どうかを判定する力
【推論】
→基本的知識と常識から、論理的に判断する力
【イメージ同定】
→文と非言語情報(図表など)を正しく対応づける力
【具体例同定】
→定義を読んでそれと合致する具体例を認識する力
※『AIに負けない子どもを育てる』より
テストを受けてみた
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』や『AIに負けない子どもを育てる』を読んだわたしは、試験を受けてみたくなり、実際に受験してみた。
当日は代々木ゼミナールの本部校に行くと、机の上にタブレット端末が置いてあり、そのタブレットを用いてテストを受ける形式だった。
実際に受験してみると、文系の自分は理数系の定義文や問題などが読みにくく感じた。
またきちんと読もうとすることが想像以上に体力を消耗させた。
試験が終了すると、その場で即席の簡易的な結果を見ることが出来るのであるが、試験の疲れからかほとんど結果を覚えられずに会場をあとにした。
結果
1ヶ月くらいした後、試験結果が郵送されてきた。
結果には評価、能力値、偏差値が記載されている。
能力値というのは「0を基準とし、受験者全体における相対的読解力を示す値」であり、
偏差値は「50を基準とし、各セグメント(高校生・社会人等)での位置を示す値」である。
わたしの受験した結果は以下のとおり。
【係り受け解析】
→評価:B 能力値:1.2 偏差値:55
【照応解決】
→評価:A 能力値:2.0 偏差値:64
【同義文判定】
→評価:D 能力値:0.4 偏差値:45
【推論】
→評価:A 能力値:2.2 偏差値:65
【イメージ同定】
→評価:B 能力値:1.0 偏差値:54
【具体例同定(辞書)】
→評価:B 能力値:0.8 偏差値:51
【具体例同定(理数)】
→評価:B 能力値:1.1 偏差値:55
どうやら2つの文が、同じ意味であるか違う意味であるかを判定する能力が欠如しているようだ。
診断表にも「語彙力や論理的な判断力の不足により、二つの文の同義性を判定する能力が十分に身についていないようです」と記載があった。
わたしの読解力
上記の結果からわかることはあるのだろうか。
『AIに負けない子どもを育てる』には、項目の前半3つ(係り受け解析〜)は高いが、後半3つ(推論〜)は低い「理数系が苦手?=前高後低型」
や
係り受け解析や照応解決が低いのに、具体的同定が高い「知識で解いてしまう=前低後高型」などが例として挙げられている。
同義文判定だけが低い場合の記載がないので何とも言えないが、「全分野そこそこ型」なのであろうか。(希望的観測だが)
そもそも、わたしは自分の読解力にそこまで自信はない。
大学生のときに受けた授業で読解力を試すものがあったが(課題文を読んだ要約・意見書の作成)、そのときも周りに比べて読めていなかったという指摘を受けたことがある。
また、日頃も読み飛ばし癖があり、重要なところを読んでいなくて仕事でミスにつながることも割とある。
もっともRSTを受けたり、新井紀子氏の著作を読んだことから、文章を読む際に注意して読むようになったが。
テストの結果からすると、すごく読解力が高いわけではないけど、全然読めていなくもない、といったところか。
平凡な読解力しかないということかもしれない。
また機会があれば受けてみたい。
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