読書レビュー:『稼ぎ方2.0「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代』(村上臣)

読書

読みたいと思ったきっかけ

ビジネスブックマラソンで紹介されていたのがきっかけ。

自分も30歳を超えてきたこともあり、タイトルも刺さってしまって購入した。


内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

はじめに    
PROLOGUE 誰もが「個で稼ぐ力」が必要な時代
CHAPTER 1 誰もが個で稼げる”1億総クリエイター時代”の到来
CHAPTER 2 ”1億総クリエイター時代”に活躍する「稼ぎ方2.0」とは?
CHAPTER 3 稼ぎ方2.0の目的「会社のため」から「自己実現」へ
CHAPTER 4 稼ぎ方2.0の思考法「ルール思考」から「共感思考」へ
CHAPTER 5 稼ぎ方2.0の価値基準「予測重視」から「適応重視」へ
CHAPTER 6 稼ぎ方2.0の行動「計画的」から「アジャイル的」へ
CHAPTER 7 稼ぎ方2.0の人間関係「タテのつながり」から「ヨコのつながり」へ
おわりに  

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

■セールスフォースを導入すれば、セールスパーソンは、どの会社に入社しても同じツールを活用して働くことができます。その会社特有の仕組みをイチから覚えなくても、前の会社でやっていたのと同じようにセールスの仕事を継続できるわけです。極端にいうと入社した翌日から即戦力として働けるため、必然的に労働生産性が高まるというわけです。

■いざ、仕事がなくなったときに、社外にネットワークを持っていれば、確実に次の仕事は見つけやすくなります。その社外との接点を作るために有効なのが本業以外の副業を持つことです。副業でのつながりから仕事が得られる可能性がありますし、副業を持っていれば、とりあえずは収入がゼロにならないという安心感も得られます。だから、副業で本業とは別のキャリアを築くことはリスクヘッジになり得るのです。

■クリエイターエコノミーとは、一言でいうと消費者として経済活動に参加していた人が、消費側・販売側のどちらにもなれる双方向型の経済圏のこと。

■私は、アメリカの会社でコンパッションマネジメント(思いやりのマネジメント)がマネジメントスキルの一つとみなされるようになったことが、非常に大きな変化であると捉えています。というのも、アメリカの会社ではパフォーマンスによる評価がすべてであり、共感思考の要素がほとんど皆無だったからです。今後は、あらゆる分野で共感思考が重視されていくのではないでしょうか。

■プロのクリエイターは、アジャイル的な変更を呼吸をするように毎日行っています。本業がクリエイターでない普通の会社員でも、1週間に1回くらいはOODAループを回していく必要があるでしょう。ファンといかにコミュニケーションを取るかがポイントです。ファンの声を頻繁に聞いて、すばやく行動できるかどうかが、クリエイター活動の成否を左右します。

■会社員が副業クリエイターとして活動するにあたっては、ファンを作る必要があります。ファンの数ゼロの人が、一人目のファンを獲得するのは至難の業です。

■副業クリエイターになるとは、一言でいうと「何かをアウトプットして、ファンを作っていく」ことにほかなりません。

■正直にいうと、私自身はやりたいことが見つからずに困った経験がありません。どういう見つけ方が適切なのか、実感に照らし合わせて答えにくいところがあります。ただ、自分の内側からやりたいことが見つからない人にできるのは、何かからインスピレーションを受けることだと思います。

■私は昔から週に一度程度、書店の雑誌コーナーをすべて見て回るのを習慣化しています。周囲の人にもおすすめしている習慣です。雑誌コーナーには、政治経済誌や文芸誌、女性誌、育児誌など、さまざまなジャンルの雑誌が並んでいます。興味のある棚はもちろん、興味のない・薄い棚も徹底的にチェックするのを自分に課しています。雑誌コーナーの棚を一通り眺めて、気になったタイトルがあれば、パラパラとページをめくってみます。そうやって雑誌を見ていると、不思議とインスピレーションが湧いてくるのです。

■もしくは本業への時間のかけ方をセーブする方法もあり得ます。本業はライフワークとして割り切り、会社から怒られない最低限の仕事をするスタンスです。ただし、このスタンスを取れるのは安定している企業の正社員に限ります。また、自分の市場価値が下がるという意味で、かえって会社への依存度が高まってしまうというデメリットも覚悟しなければなりません。

■もちろん、完全に割り切って会社にぶら下がるのも一つの方法ではあります。本業では最低限の仕事だけをこなし、定時ピッタリに帰宅して副業に取り組む。実際にそういうスタンスで活動している人もいます。ただ、失敗すると本業とのモチベーションギャップが大きくなるリスクがあります。本業の時間があまりに苦痛すぎるせいで、副業にも悪影響が出たら元も子もありません。だから、できれば本業と副業をつなぐコネクションを持っておくのが理想です。「文章を書く」とか「プレゼンをする」とか使うスキルがつながっているだけでも十分ですし、「本業と副業がつながっている」と自分が信じているだけでもかまいません。

■最初に強調したいのは、まず「自分自身が共感する」ことの重要性です。クリエイターとしてファンの共感を得るためには、ファン心理を知る必要があります。ファン心理を知るためには、実際にファンコミュニティに参加してみるのが最善の方法です。

■企業がやろうとすると採算が取れないけれども、個人がやれば十分なリターンが得られる規模感が狙い目となります。身の丈に合った小さな市場を見つけるコツの一つは、身近な人が抱えている課題を見つけることです。

■そして、もう一つアドバイスするとすれば、「何か切り口を作ってみる」ということです。「英会話」という大きなくくりでは競争率も激しいので、少し変わったアングルから攻めてみるのです。

■ちなみに、仮に私が英会話を教えるサービスを始めるとしたら「自分の体調の悪さを英語で説明するときの会話を教える」といったサービスを考えると思います。実際に、私自身は海外で病院に行ったときに「扁桃腺が痛いんです」といった症状を説明するのに苦労した経験があります。また、ネットで検索しても病院で話すための英会話に特化した動画などがほとんど見つからなかったので、それなりのニーズはあると思います。

■仕事に苦しさを感じている人の多くは、「選択肢のなさ」に苦しんでいるように見えます。日本で働いている人の多くが、「ほかに道を選べない」「我慢するしかない」という論理で自分を追い込んでいるように見えます。ですから、最低でも3つくらいのキャリアを持っておいてほしいと思います。それだけ複数のキャリアを持つことの精神的な安定感は大きいのです。

■「アジャイル的」というとき、一般的にはおおよそ2週間が1つのサイクルとなります。先ほどウーダループというフレームワークに言及しました。このフレームワークでいうと、何かを実践してから2週間程度で、以下の4つのサイクルを回すことになります。①Observe(観察)、②Orient(状況判断、方向づけ)、③Decide(意思決定)、④Act(行動)、このサイクルを繰り返しながら、精度を高めていくわけです。

コメント

日本の人口減、高齢化などで将来の見通しの暗さ、またAI技術の発展などで職が奪われるのではといった恐怖により、多くの人がどことなく不安を抱いている。少なくとも不安を煽るようなニュースが多い。メディアの宿命かもしれないが。

かくいう自分も現在の職業を続けていくことの不安感を常に感じており、何か始めなければとモヤモヤしながら過ごしている一人。

結局のところ不安の正体とは経済的にやっていけなくなることへの恐怖であり、スキルアップや副業などもこの恐怖への対応策といえる。

本書はそういった経済的な将来への不安を感じる人にどういう考えで動けば稼げるかを指南する書籍となっている。

誰もがクリエイターとなる「クリエイターエコノミー」のなかでどうやって稼いでいくか。本業とのバランスや副業のメリット(一部デメリットも)説明されている。

どうやってファンを稼いでいくか。

個人が「クリエイターエコノミー」のなかで生計を立てるには、このファンの獲得がセンターピンとなる。

既存のSNSや新たなツールも活用しつつ、どのマーケットでどういう切り口で自分の好きなもの、武器を提供していけるかが鍵となるが、この提供するコンテンツや内容を作り上げることが難しいことに変わりはない。

本書の著者自身も「私自身はやりたいことが見つからずに困った経験がありません」と語っており、このあたりは先天的なものを感じてしまう・・・。

まったく何も知らず、ただ漫然と仕事をするよりも、「クリエイターエコノミー」を意識しつつ、何かしら行動を起こせれば、少しは違った未来が見えてくる(はず)。

文書も平易で、これまでの考え方との対比しながら話が進んでいくので大変読みやすい。

一言学び

何かをアウトプットして、ファンを作っていく


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