文体について

仕事

人によって固有のものはたくさんある。

声も違うし、耳の形も違う。指紋も固有なものであるし、目の瞳孔の外側にある虹彩も人によって異なる。また筆跡がそれぞれ固有のものであるのも有名なところだ。

色々と固有のものはたくさんあるが、文体もまた人によってだいぶ異なる。

単語の選択や句読点のタイミング、漢字とひらがなのバランスなど、その人の書いた文章をある程度長く読んでいると、クレジットなしの文章であってもその人が書いた文章かどうかを識別することは誰でも容易にできるだろう。

これは会社で頻繁にメールでやり取りなどするとすぐに気が付く。その人特有の言い回しや、単語のチョイス、文章の構成方法など、人によって特徴が出るからだ。

かくいう私も自分の文章を読んでいて、「自分が書いたとすぐわかるなー」と思うことが多々ある。当たり前のことをいうなと言われるかもしれないが、自分が書いた文章を読んでいると、「この言い回しはよく使うな」、「この構成で文章を書きがちだな」といった感想を持つことが最近増えた。

これは自分の書く文章がよく使うフレーズだけで構成されているという証拠だろう。新しい表現や言い回しを試していないということになる。

個人的には仕事ができると自分の思う人のメールの言い回しなどを拝借するのは割としているつもりだったのだが、もっと意識的に取り入れるようにしていかないとダメということかもしれない。

これは英語の文章でも同様に当てはまる。英語の文章のほうが、なおのこと単語や言い回しのパターンが少なくなる。使えるフレーズや単語が日本語よりも圧倒的に少ないのが原因だ。

英語においては文体という域にも達していない。日本語であれば読んだ表現を割と自然に書くときに転用することができるが、英語になるとその転用がなかなかうまくいかない。

いくらインプットしても、いざ書こうとするときにその表現が出てこない。「アウトプットを意識したインプットになっていないからだ」というのはその通りだが、やはり母国語と外国語ではその転用能力に圧倒的に差があるのだろう。

英語でも文体を意識するレベルになりたいが、そんなことよりもまずは最低限言いたいことをパッと書けるようになることのほうが重要か。

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