読書レビュー:『独学の教室』(読書猿 他)

読書

読みたいと思ったきっかけ

わたしはAmazonで「佐藤優」と定期的に検索するのだが、そのとき見つかったのがこの書籍。

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独学の教室 [ 読書猿 ]
価格:946円(税込、送料無料) (2022/8/10時点)


内容

目次

目次は以下のとおりとなっている。

はじめに    
Part1 独学の真髄を味わう
読書猿(独学者) 独学者を阻む薄い壁
吉田 武(京都大学工学博士) 独学とは再帰なり 選ばれし者から選びし者へ
ウスビ・サコ(京都精華大学前学長) 自力で学ぶ「自学」のすすめ
深井 康佑(文筆業、英語講師) 大金不要、ネイティブ無用 独学最強の英語学習法
鎌田 敬介(Armoris 取締役専務CTO) 日本の「仕事人」をとりまく独学環境
志村 真幸(比較文化史研究者) 独習者、南方熊楠の驚異の記憶力
青い日記帳(美術ブロガー) 独学だからこそ身につく いちばんやさしい美術鑑賞術
永江 朗(フリーライター) 独学本のススメ
Part2 私の独学、私と独学
佐藤 優(作家) 独学の秘訣 記憶を再現するためのノート術
柳川 範之(経済学者) 苦しい学びは続かない
石塚 真一(漫画家) 独学の漫画家、独学のサックスプレーヤーを描く
岡部 恒治(数学者) 社会人のための数学独学法
深川 峻太郎(ライター、編集業) 私はなぜ相対性理論を独学したのか
角幡 唯介(作家、探検家) 冒険と独学
おわりに    

内容

わたしの気になった箇所について記載する。

志村 真幸(比較文化史研究者)

・現在では、図書館で本を書き写しているひとを見かけることはない。コピーした方が効率的だ。いや、パシャリと写真に撮るのが一般的になりつつあるだろうか。しかし、それでは書物の中身を真にわがものとしたことにはならないのかもしれない。

青い日記帳(美術ブロガー)

・そんな自分が、展覧会に自主的に絵を観にいくようになったのは、大学時代の教授の何気ない次のような言葉がきっかけでした。「皆さんが東京の大学に通ういちばんのメリットは、多くの芸術文化と触れ合える機会が格段に増えることです。東京では、日本のみならず世界のあらゆる芸術に365日いつでも触れることができます。四年間でそれを享受しない手はありません」

・お気づきになられたかもしれませんが、絵画鑑賞を通し、多くの本を読み、旅に出かけるようになると、その土地の文化や歴史にも精通するようになります。近年「教養としてのアート」が注目されているのは、何もビジネスに役立つだけではなく、大人として知っておきたい思想や歴史、社会、そして日本人が不得手とする宗教について自然と学べる「入り口」として、絵画がいちばん好都合だからだと思います。

佐藤 優(作家)

・独学といっても、ただ漠然と本やテキストを読んでいるだけでは、知識は身につきません。知識を定着させるためには、内容に応じて「書く」作業が必要になります。数学であれば、実際に手を動かして練習問題を解く。語学であれば、ディクテーションを繰り返す。人文科学や社会科学の本を読む場合は、重要箇所をノートに抜き書きし、自分のコメントを付記しておく。どんな学びであっても、書くことが知識定着への近道なのです。

・これからの独学は、「記憶の外部化」に抗して「生身の記憶力」を鍛えておくことに意識的になったほうがいいでしょう。そのためには、ノート術とともに「記憶力を増強するトレーニング」が必要になります。

・読解力とともに、記憶力、要約、敷衍を身につけることができれば、十分な教養基礎となるはずです。こうしたトレーニングによって脳の記憶容量が大きくなり、さまざまな情報が記憶の引き出しにストックできるようになると、ある課題を解決しようとするときに、類似した事柄を適宜引き出して比較検討できるようになります。つまりアナロジーを用いて物事を考えられるようになるわけです。

コメント

本書は雑誌『kotoba』の特集「独学の愉しみ」を新書にまとめたものということで、一つ一つの文章が短く、とても読みやすい。

ちょうど読んだタイミングがコロナに罹患して回復しつつあるタイミングでもあったので、「リハビリ」としても最適な文章の長さだった。

また幅広い分野の人物に独学について聞いている点も、普段見られない視点を得られてタメになる。

英語や数学などの具体的な科目の学び方なども掲載されつつ、独学の気構えや姿勢などの科目の手前の部分にフィーチャーしているものもあるので、読者がどのメッシュで独学について知りたいと思っても何かしら学びがあるように思う。

短期的にどうこうということも大事であるが、やはり長期的に自分がどういう知識や知恵を得ていきたいかを定め、そこに向かって独学していくことが重要だと感じた。

日々の精進しないといけない。

一言学び

「生身の記憶力」を鍛えておくことに意識的になっておく。

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