大学受験のとき親に対して志望校の説明をする機会があった。
わたしの両親はともに高卒であったため大学受験のことはよくわかっていなかったのだが、それを利用して自分のいい加減な実力であっても早慶レベルを目指せると説明をしていた。
模試の成績が一向にE判定であっても「模試の成績はほとんど関係ない」とか、「歴史科目は暗記でどうにかなるので、これから成績があがる」などと言って、親の期待値をコントロールしようとしていた。(実態としてはただの言い訳に過ぎないのだが・・・)
相手の期待や要求水準をコントロールすることは期待値コントロールと呼ばれる。
上記は大学受験のときの例だが、社会に出てからの方がより使う機会が増える。
上司に頼まれた仕事について、その目的に照らしつつ、あまり過度に完成度の高いものが求められないようにするために期待値を調整する。
期待値を調整しないと、どんどん高い完成度のものが求められる可能性があり、そうなってしまうとその案件に手間暇や多くの時間を掛けるないといけなくなる。
なおかつそうやってたくさんのコストを使ったとしても、相手の満足いくものにならない確率は高まる。
自分もこれまでこの期待値を管理できずに何度か失敗をしてきている。
上司に資料作成の指示を受けたときに、特に何も期待値をコントロールせずに対応してしまい、いざ資料が完成して見せたら、「全然ダメ」「水準が低い」と言われてしまった・・・。
一方で、うまく期待値をコントロールできていると、コントロールできていないときと全く同じような資料のクオリティであっても上司から不満は出ない。
仕事のスキルをどれだけ磨いていたとしても、結局その依頼主(上司など)が満足するかどうかで評価は変わるので、スキルよりもむしろ期待値管理の方が重要になってくる。(当然スキルがあるに越したことはないが)
ただ、この期待値コントロールが意外と難しい。。。
折を見ては上司にその依頼目的などを聞く必要があるし、こちらの仕事状況なども伝えて、あまり完成度が上げられないという理由などもそれなりに説明・説得しなければならない。
そう、なるべく密にコミュニケーションを取らねばならない。
このコミュニケーションコストの支払いを面倒くさいと思ってしまうと、うまく期待値を調整できなくなってしまう。
その面倒くさいという感情を乗り越えて期待値コントロールをしないと、結局は後々に更に面倒なことになるのはわかっているのだけど・・・。
その意味では普段から依頼主となる人とは良好なコミュニケーション状況を築いていくことが何よりも重要なのかもしれない。
コメント